松見町4丁目のマンションに挟まれた高台にこのほど、耕作放棄地を活用して新たな農園「妙蓮寺ファーム」が誕生した。区内で活動する「かなっぱ畑の会」(山田牧美会長)が農園の管理を行う。
かなっぱ畑の会は、神奈川区が主催する生涯学習講座「畑で楽しむやさいの時間」の修了生が2014年12月に立ち上げた市民団体。現在は約50人で複数の農家の農業支援や区民向けの講座を主催したり、子ども食堂に収穫した野菜を寄贈する活動なども実施。今回初めて、同会自ら農園を管理する活動に発展した。
以前は、畑の後継者がおらず放置され、雑草や竹が生い茂っていたという妙蓮寺ファーム。土地の所有者から相談を受けた港北区の不動産会社が「畑を再生させたい」という思いを持つ同会とをつないだことで、今回の計画が始まった。
開墾作業を人力で
最初にして最大の障壁となったのが開墾作業。重機が入れないためすべて人力での作業となるなか、土地の一面に生い茂る草や地中深く伸びた竹の根などを、4月から約1カ月かけて除去して土を耕した。運営の中心を担う同会の木津勉さん(72)は「ほぼ毎日作業して、45リットルのゴミ袋150個分ほどを刈り取ったよ」と苦笑しながら振り返る。
現在は、トウモロコシやナス、トマトやじゃがいもなどを栽培しており、今後も葉物野菜などを育てていき、「状況に応じて、収穫した野菜の地域に向けた販売会などもできれば」と展望を語る。また、栽培には希望する地域住民らも気軽に参加することができる。
木津さんは「少しでも農業や畑仕事の興味があればお気軽に。農園が地域の新たな交流の場になれば嬉しい」と笑顔を見せた。妙蓮寺ファームへの参加や問い合わせは、同会の木津さんまで。