菊名在住のギャンビル・ウイリアム海音さん(星槎高校1年)が6月11日・12日の両日、伊勢原射撃場で行われた高校総体(インターハイ)県予選会に出場し、ビームライフル・エアライフルともに男子の部で優勝した。7月28日㈭から広島県で開催される全国の舞台への切符を手にした。
10m先にある的を目掛け、電子ビームを1シリーズ10発照射し、45分間で60発の合計点数を競うビームライフル。県予選には71人が参加し、大会新となる627・2点で栄冠を掴んだ。
また、空気圧で鉛球を放つエアライフルには、2人がエントリー。1年生ながら2位と35・7点の大の大差をつけ、ダブル優勝を果たした。
ただ、全国には1種目でしか出場できないため、好調のビームライフルを選択するという。
「射撃界のホープ」
物心ついた頃から銃への憧れを抱き、小学校3年生から、くりはま花の国にある射撃場を拠点に競技をスタート。特訓の成果が実り、全国大会小学生の部で優勝した。
中学入学後、県体育協会などから推薦を受け、18歳以下でも競技用エアライフルを使用できる「年少射撃資格認定証」を県内で初取得。五輪代表や国際大会選手など育成ナショナルチームの選考会を兼ねた中学生の大会でも頂点に立ち、「射撃界の若きホープ」の名をほしいままにした。
「1人じゃない」
横浜市旭区にある高校に通いながら、母の千夏さんが車で送り迎えをし、平日は久里浜射撃場、休日は伊勢原射撃場で鍛錬を積む。米海軍に所属する父のポールさんの影響もあり、「将来は米軍に入りたい」という夢に近づくため、1発1発に集中する。同校ライフル射撃部で顧問を務める薗隆太さんは「今まで支えてくれた人たちに感謝して大舞台に挑戦してほしい。そして思う存分大会の空気を味わってほしい」と背中を押す。
大舞台を前にギャンビルさんは「勝ち負けは自分1人で消化してきた。でも今は1人じゃない。一緒に喜び悲しんでくれる良き理解者がいる。皆のために、楽しみながら高校ナンバーワンの座につきたい」と意気込む。