きかちゃんを救う会(前島麻子代表)は、葉山町の森木花ちゃんが、米国で心臓移植手術を行い、退院したと発表した。今後は、現地の住まいから通院し、家庭で治療とリハビリを行った後、帰国の途に就く。
重い心臓病を患うきかちゃんは昨年11月、心臓移植手術を行うために渡米。ニューヨークのコロンビア大学附属病院に入院し、半年間の待機を経てドナーが現れた。手術は5月22日に行われた。すぐに動き始めることができなかった心臓を補助するため、胸を開いたまま1週間、ECMOを装着。血栓ができたり、出血したりしたため、緊急手術を実施。一瞬たりとも気が抜けない状況が続いた。
その後、容態は安定し、1カ月後には一般病棟でリハビリを始めた。両親は「ドナーの方のご冥福を心からお祈りするとともに、ご家族の皆様へ深く感謝いたします」としたうえで、「大好きな兄を見つけた瞬間に目を輝かせ、起き上がり、手をつないで自ら歩き出した時の感動は忘れられません」と振り返る。
現在、葉山の家に帰り、日常生活を送るという最終目標に向けて準備を進めている。救う会の前島さんは「ご支援いただいた皆様に心から感謝申し上げます。葉山に帰るまでもう少し、見守っていただければ幸いです」と呼び掛けている。
同会は、きかちゃんを生まれた時から知る「ママ友」たちが中心となり結成。渡航費や治療費、現地での滞在費など約3億5千万円を目標に昨年6月末から募金活動を始めた。地域で支援の輪が広がり、約3カ月で達成していた。