グループホームさくらの運営を通して、障害者の地域の居場所作りを進めていますね
渡邊:親の高齢化などで家庭だけで支えるのが難しくなり、引きこもりがちになってしまっている人も多いです。様々な事情がある人が、ひとつ屋根の下に暮らし、仲間同士支え合いながら自立を目指しています。
地域活動にも積極的に携わっているとか
渡邊:地域の小学校の寺子屋で先生を務めたり、アリーノでの「おしゃべり会」等に参加しています。来年度からは川崎鷺沼ロータリークラブに入会し、活動していきます。「日々勉強」の精神でどんどん活動の場を広げ、様々な方との出会いを大切にしていきたいです。
活動の原点は
渡邊:幼少期、新潟県にある曹洞宗の禅寺「雲洞庵」で生まれ、修行僧に囲まれて過ごしました。曹洞宗の理念の中に「子孫繁栄」「布教活動」「社会福祉に貢献」というものがありました。その教えが今の原点のように思います。また、映画「ねむの木の詩がきこえる」より「波のようにくりかえすのです。心をひらくその時までくりかえしましょう、急がずに…」という言葉が好きで、大切にしています。
原動力はなんですか
渡邊:とにかく人との出会いに恵まれました。支えて頂いた多くの方に、地域に恩返しができればという想いが原動力になっています。近くの植木の里の自然を眺めたり、有馬温泉にゆっくり浸かるひと時も元気の源です。
渡邊さんは、宮前の自然をとても愛されていると聞きました
渡邊:そうなんです。緑溢れ風光明媚な宮前が大好きです。平瀬川桜まつり会場そばの自宅から車で通勤しているのですが、北部市場で買い物をして鷺沼小学校、有馬交番、有馬温泉、そして子の神交差点坂を上った所にホームが見えてきます。毎日の通勤途中の景色が楽しみで、今年も春の桜や秋の紅葉-、それに帰宅時に夜空を見上げると、月がとても綺麗ですよ。
宮前愛、自然愛が伝わりますね。大事にされている事は何ですか?
渡邊:私の願いと幸せは、子どもや孫たちがいつも元気で幸せでいてくれること。次代のためにできることは、何でも応援していきたいと思っています。宮前で、私たちも先達にそうしてきてもらったから-。私の周りは「いってらっしゃい」「おかえりなさい」など、お互い目一杯の笑顔のあいさつで溢れています。坂の町宮前の風景や、暮らす人々の素朴な笑顔は、まるで幸せ満足度の高い国ブータンみたい。この地と住む人達みんなに感謝です。