認知症の当事者や家族、そして地域のだれもが集い交流できる「オレンジカフェ」を東逗子に作ろうと、市民や医療関係者らが奔走している。「世界アルツハイマーデー」の9月21日㈬にはイベントを実施。開設への機運を盛り上げたい考えだ。
東逗子地域では、4年ほど前から東部地域包括支援センターが中心となり、市内の高齢者施設の一角を借りてオレンジカフェを運営していた。しかし、コロナ禍によって休止に。再開見込みもなかったところ、長谷川静さんらが活動を開始した。「東逗子に認知症カフェを作る会」を立ち上げ、同センター長で看護師の金子美香さんや地元の医師、認知症当事者の家族、市の保健師などがメンバーとなり、学習会を開いていた。
今年5月には、東逗子ふれあい広場で「ワンデイオープンおれんじカフェ」を初開催。その後も回数を重ね、当事者やその家族ら30人ほど参加するようになった。
「歌を歌ったり、皆と話せて楽しいという声や『次はいつ?』という問い合わせをいただいている」とニーズを実感する長谷川さん。
「居場所作りと、誰でもなりうるからこその思いやりや啓発、そしてまちづくりの視点からの対策を考えることが大事」と語る。課題は場所の確保だ。感染症対策や費用面で施設を確保するのが難しく、現状はふれあい広場しか選択肢がない。「晴れた日には気持ちよく交流できるが、雨や寒くなるこれからのことが悩み」。引き続き、行政や企業、住民らに協力を呼び掛けながら、方策を探っていくという。
21日は午後2時から4時まで。雨天時は市商工会館。申し込み不要で誰でも参加できる。参加費200円。県オレンジ大使の柳田誠さんによる講演や音楽ライブ、相談コーナーなどが設けられる。問い合わせは長谷川さん090・7054・3348