港南区日野中央にある「高野山真言宗 日野山 徳恩寺」でこのほど、新築を祝う「本堂落慶法会」と新住職誕生の「晋山式」が行われ、僧侶や檀家、地域住民など数百人が参加し、盛大な式典となった。
創建900年以上
徳恩寺の創建は1099年(康和元年)に京都の仁和寺の僧侶「尋清」を開祖とし、900年以上にわたり同創建の隣社である「春日神社」とともに歴史を重ねてきた日野地域の古刹だ。山門としては珍しい長屋門となっており、創建当初は坊守が在住していたと言い伝えられている。
明治以降4回の改築を経て、1909年の本堂改築を最後に現在に至る。落慶法会は113年ぶりに行われた。本堂の設計に7年、そして建設工事等に3年の計10年の月日が流れ檀家や地域への披露式となった。
末代まで手を合わせることができる本堂ができた
1階部分は災害時などにも役立てるように鉄筋のシェルター機能を完備。2階部分は寺院の伝統建築である木材を多く使用し、現代の建築技術と融合させ本堂を完成させた。第二十九世となった中尾明信新住職は「(新しい本堂は)基本的にはお寺のものではなく、ご本尊さまのもの。檀家が拝む対象物として末代まで手を合わせることができるしっかりした本堂ができた。先代の思いを胸に地域に披露することができた」と完成を喜んだ。