7世紀後半の倉庫を復元
川崎市初の国史跡に指定されている橘樹官衙(たちばなかんが)遺跡群。市はこのほど、史跡公園整備工事の具体的なスケジュールを発表した。建物復元工事は2024(令和6)年3月に完了する予定となっている。
この工事は、たちばな古代の丘緑地とその西側隣接地における史跡整備として、7世紀後半に建てられたとされる倉庫の1棟を復元する。ほか3棟は土台となる柱のみ立体表示。茅葺屋根などは薬剤を塗布するなど、長持ちする工夫を考えているという。舗装された園路や植栽、休憩用のベンチ等、遺跡群の説明版なども整備する予定となっている。
着工は2023年1月
23年1月に公園整備工事に着手し、3月に工事完了。建物復元工事は23年1月から材料確保や木材乾燥など事前準備を開始し9月に工事着手、24年3月に工事を完了させる予定。4月以降に開設記念式典などを検討している。建物復元工事終了まで公園は開放しない。
千年などの「礎」辿る
古代寺院跡である「影向寺遺跡」=宮前区野川本町=と、その東側に隣接する「千年伊勢山台遺跡(橘樹郡家跡)」=高津区千年=から構成される同遺跡群。7世紀後半の地方行政組織の成立の背景や構造、そこから発展、廃絶に至る経過を辿ることができる稀有な遺跡として評されている。