コロナ禍による暮らし方の変化とテレワークの普及で「地方移住」や「2拠点生活」などに注目が集まっています。真鶴町は神奈川県内で2番目に小さいけれど、三方が海に面した自然の景色が清らかで美しい港町です。真鶴町は神奈川県で最も高齢化率が高く、県下で唯一の「過疎地域」とされる。にもかかわらず、若い世代をはじめ、幅広い世代の移住者が急増しています。
より魅力ある暮らしを発信しようと、真鶴町では独自の空き家バンク制度「真鶴町空き家バンク」を2021年からスタートしています。空き家バンクは、町から事業委託を受けた「一般社団法人真鶴未来塾 まちこ」が運営。もともと真鶴に住んでいる町民と移住者で構成されているため、「町民目線」の情報発信が好評です。
<目次>
・一般社団法人真鶴未来塾 まちこ
・真鶴町空き家バンク制度
・空き家バンクへの登録方法
・交渉・契約について
・物件調査では「暮らし」をイメージ
・マッチング時は「あるがままを伝える」
・住居だけでなく店舗物件も
一般社団法人真鶴未来塾 まちこ
地域にある資源や魅力を、多世代の様々な人たちと共に発展させることを目的に活動。多様な人々と出会う「機会」、それぞれに出番のある「機会」づくり、挑戦することの「きっかけ」づくり、それら様々な思いの実現の「お手伝い」を活動の柱とし、真鶴町の魅力や日々の暮らし、情報などを発信や様々なプロジェクトを企画。
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真鶴町空き家バンク制度
空き家バンク制度は、真鶴町内の空き家を売りたい方、貸したい方に空き家物件を登録し、その情報を町のホームページなどで公開し、全国の空き家の利用希望者へ情報提供する制度です。
空き家バンクへの登録方法
空き家所有者の方
(1)真鶴未来塾へ連絡(月・水・金・土 10時~15時30分)
TEL:0465-68-0789
mail:machiko@manazurumirai.jp
真鶴町空き家バンク制度についてご案内。
(2)物件の登録申し込み
必要書類を真鶴未来塾へ提出
「空き家バンク物件登録申込書」と「空き家バンク物件登録カード」に必要事項を記入し、添付書類を添えて真鶴未来塾に提出。
日程調整の上、物件を現地で確認し、登録できる物件と判断した場合は次に進みます。
(物件を内覧しますので、所有者の方は立ち合いをお願いします。)
(3)空き家バンクへの登録・物件情報の公表
審査の上、物件を空き家バンクへ登録します。登録いただいた物件情報は、町ホームページなどで公表します。
(4)物件見学
空き家利用希望者から物件見学の希望があった場合、真鶴未来塾と日程調整を行い、物件見学を行います。
空き家利用希望者の方
(1)物件情報の閲覧
町ホームーページにて空き家バンクに登録されている物件情報の閲覧が可能です。
(2)利用登録
気になる物件がある場合は「空き家バンク利用登録申込書」に必要事項を記入し、本人確認書類の写しを添えて真鶴未来塾へ提出してください。
(3)詳細な物件情報の取得
利用登録後は、希望に応じて気になる物件についての詳細な情報を提供します。また、日程を調整したうえで物件の見学も可能です。
交渉・契約について
空き家所有者と利用希望者の当事者間で、宅地建物取引業者仲介のもと交渉・契約を行います。指定する宅建業者がいない場合は、町が協定を結ぶ仲介業者を紹介します。
※町は、交渉・契約に一切関与しません。売買条件などの交渉は、すべて当事者間で行っていただきます。
物件調査では「暮らし」をイメージ
「子どもに残すわけにもいかないし、かといって古すぎて売れないだろうし、本当にどうしたらいいのか…」。修繕が必要な家、室内に荷物が残っている家、敷地内に祠がある家など…悩みのタネと捉えていた物件も「つよい個性のある物件は、そこに価値を感じるどなたかと巡り合う可能性があります」と空き家物件所有者と利用者、両方の思いによりそっているのが印象的です。
築年数や価格だけではなく、実際にメンバーが足を運び、そこにあるリアルな暮らしを調査&レポートしています。インスタグラムやフェイスブックなどSNSでも随時発信。
まちこのメンバーが現地に足を運び調査。
マッチング時は「あるがままを伝える」
物件登録まえに、仲介業者と行う物件調査で指摘された部分は、すべてそのまま伝え、物件のそのままを見てもらう(よく見せようとはしない、話も盛らない)ことが、信頼されるゆえん。また、所有者が内見に立ち合う場合は、なるべく所有者から紹介し、思い出やエピソードをふくめ、物件の特徴を伝えるようにしているといいます。さらに移住したメンバーは、自分の体験から移住前後のリアルな生活を伝えてくれるのも大きなポイント。町民の暮らし目線で町の様子を紹介してくれるのが魅力。
住居だけでなく店舗物件も
真鶴町空き家バンクのマッチングにより、誕生した店舗も!真鶴駅から徒歩5分の商店街には、お惣菜とお弁当を扱う店舗とその隣には、現代アートなどを展示するギャラリーもオープン。小さなたまり場がいくつもできることで、まちの活性化にもつながっています。
運営メンバーからの声
最初のご相談からはじまり、物件調査、物件を所有されている方・利用登録者の方の出会い、『家』が引き継がれていくまでの一連の流れをサポートし、そばで見守ることができるのは、(契約に関する業務は仲介業者さまの担当)空き家バンク業務の醍醐味だと思っています。もともとお店を営んでいた店舗物件で賃貸が決まった所有者さまは、物件の契約にむけて動きだした頃から、とてもイキイキとされていたのが印象的でした。
「ご成約おめでとうございます!」とお伝えすると、「まだまだこれからよ~!」と、まるで、ご自身がこれから新しいお店を始めるかのように言われていました。実際、お店がはじまった今も、所有者さまのお知り合いや知人の方が、たくさんお店にいらっしゃっています。家族を超えた事業継承(職種はちがっても)という新しいかたち、新しいコミュニティが生まれたと思っています。