「海の見える美しい町で暮らしたい」。そんな憧れを叶えてくれるのが、神奈川県西部にある真鶴町です。1年を通じて温暖な気候で、町を歩くと、どこか懐かしさを感じる港町の温かい雰囲気に包まれ、自然と心身がリラックスしていくかのようです。
【目次】(各項目をクリックするとジャンプします)
真鶴ってどんな町?
「くらしかる真鶴」で移住体験
「お試し移住後に、実際に移り住んだ人」にホンネを聞いてみよう
町歩きツアーへGo! 取材を終えて
真鶴ってどんな町?
”東洋のリヴィエラ”に移り住もう
面積約7㎢と、神奈川県で2番目に小さな町・真鶴。箱根の南東側外輪山と、相模湾に突き出した小半島からなり、海にも豊かな森林にも恵まれた自然の宝庫として親しまれています。
- Point! 特に町の南側は古くからリゾート地として多くの文化人に愛され、この地で晩年を過ごした画家・三宅克己氏は、地中海の景勝地にも勝る「東洋のリヴィエラ」と称賛したほどです。移り住むなら、こういう町がいいな。
半島はほぼ全域が「神奈川県立真鶴半島公園」に指定されていて、先端にはかつて皇室の御料林として守られていた森林が広がっています。魚や漁場を育む「魚付き保安林」としても指定され、現在でもクロマツやクスノキの巨木が豊かに生い茂っており、地元の方は尊敬の意を込め「お林(おはやし)」と呼んで親しんでいます。
- Point! また、真鶴半島の森は「かながわの美林50選」にも選ばれています。
真鶴は、古くから石材業が盛んな町。山側で採掘される「本小松石」は日本三大名石の一つです。光沢が美しく墓石、建築材などとして、鎌倉時代から広く利用され始めたそうです。源頼朝や北条一族の墓石のほか、長谷の大仏の台座などにも使用されていて、まさに時を超えて愛される石材ですね。
- Point! このほかにも主要産業として、定置網漁などの漁業や、ミカン栽培などの農業、美しい景観を生かした観光業などがあります。岬や港を中心に宿泊施設が建ち並び、旅先としても人気を呼んでいます。
「くらしかる真鶴」で移住体験
JR東海道線の真鶴駅の徒歩圏は住宅街として整備が進み、町の美しさに惹かれた多くの人が移り住んできている人気のエリアです。
- Check! 同駅から徒歩7分。町のメイン通り「おおみち通り」沿いの商店街に、移住希望者を対象にした「お試し移住体験」ができる施設があると聞いて、町役場の人の協力でさっそく見学に行ってみました。
空き家を改装した「くらしかる真鶴」
2階建ての空き家を改装した「くらしかる真鶴」は、事前予約をして1週間の移住体験ができる施設です(1回の利用料は4万円)。
〈施設概要〉「くらしかる真鶴」
- 住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴453-5(JR真鶴駅前まで徒歩7分)※Googleマップにジャンプ
- 建築年:1968(昭和43)年
- 間取り
1階:居間(8畳)、台所、浴室、洗面所、トイレ
2階:リビング(6畳)、和室(6畳)、洋室(4.5畳)、洗面所、トイレ
屋外:駐車場あり、広めのベランダあり、庭なし予約状況の確認はこちらから(真鶴町ホームページ)
町役場の職員さんに鍵を開けてもらい、建物を見学させていただきました。中に入ると、きれいなリビングや、落ち着いた雰囲気の和室があり、家族連れが充分に過ごせるスペースがあります。
2階には南向きで日当たりの良い広めのベランダもあり、洗濯物もばっちり乾きますね。全体的に広々としていて、木の温もりも感じられる印象です。
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- Point! 家具はすべて備え付け。冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、エアコンなど自由に利用できるうえに、Wi-Fiもつながるのでとても便利!
お魚屋さんや八百屋さんなどの生活商店街に面しており、その他にコンビニやスーパーもあり、お買い物に困ることはありません。さまざまな飲食店も近く、外食を楽しむのもいいですね! また、真鶴町国民健康保険診療所も近くにあるので、もしものときも安心です。
※くらしかる真鶴の利用は、以下の項目をすべて満たしていることが条件となります。
- 真鶴町に移住を希望・検討している方
- 地域住民と円滑かつ積極的に交流を持てる方
- 体験期間中、以下の体験メニューへ参加できる方
①町歩き(半日程度)への参加
②真鶴町役場にて職員と移住に係る面談への参加(移住への意欲・公共施設・行政制度・真鶴の生活等について)
③不動産物件めぐりへの参加
- 退去時に体験期間についてのヒアリングにご協力いただける方
- お試し移住体験事業参加後の追跡調査(移住検討状況の確認等)にご協力いただける方
詳細情報などのお問い合わせは、真鶴町政策推進課 TEL0465-68-1131へ。
「お試し移住後に、実際に移り住んだ人」にホンネを聞いてみよう
この施設での実際の暮らしぶりはどうなのでしょう?くらしかる真鶴での移住体験を経て、実際に真鶴町に移住した人にお話を聞いてみました。
質問① なぜ真鶴町への移住を決めたのですか?
子どもの頃、当時祖母の家が真鶴にあり、 夏休みやお正月に遊びに来ていました。海や公園、商店街で買い物をした記憶など、真鶴は私にとっての原風景でした。子どもが生まれたタイミングで、自然が身近で、ゆったりとした時間が流れる真鶴で子育てがしたいと思い、移住を決めました。くらしかる真鶴でお試し暮らしをしてみて、夫の通勤圏内だと実感できたのも大きなポイントでした。
質問② くらしかる真鶴を利用した感想は?
1週間利用してみて、町の雰囲気がなんとなくわかり、日常の買い物や、通勤のシミュレーションができてよかったです。先輩移住者の方のお話がきけたのも、とても参考になりました。役場の方に町を案内していただき、町内の施設などが事前に確認できたのもよかったです。
質問③ 真鶴町に移住してきて、改めて気づいた町の良さは何ですか?
質問④ 真鶴町の子育ての環境については、どのように感じていますか?
磯遊びやシュノーケリングなど、海で子どもと遊べるスポットがたくさんあります。半島先端のお林での森林浴やハイキングも最高です。カミキリムシやギンヤンマ、タマムシなど、今では珍しい虫もたくさんいて、我が家の子ども達は大の虫好きに成長中です。
子どもが少ないので、学年を超えて子ども同士仲が良く、町の方々もよく声をかけてくださったり、町全体で子どもを見守る雰囲気があり、安心して子育てができる環境だと感じています。
- 取材メモ 聞けば聞くほど、真鶴町は魅力がいっぱいですね!ワクワクするような自然に囲まれ、子どもたちもきっと喜んでくれるに違いありません。安心して子育てできる環境だというのがうれしいですね。
町歩きツアーへGo!
町での暮らしをより詳しく知るために、くらしかる真鶴の利用者には町歩きツアーに参加してもらっているそうです。町の魅力を紹介してくださるのは、町から「くらしかる真鶴」の管理を委託されている企業「真鶴出版」の方々。今回は真鶴出版の代表・川口瞬さんに町をご案内していただきました!
町歩きツアーは30分~1時間ほど。この日は商店街を歩き、背戸道と呼ばれる細い道や住宅街を進んで、漁港が一望できる絶景スポットをご紹介していただきました。実際に歩くと、真鶴町の起伏の多さを体感できます。川口さんは、子どもが通える習い事教室の情報をはじめ、真鶴育ちの住民や先輩移住者も紹介してくれるそうなので、ツアーの際はいろいろ聞いてみると良いですね。
取材を終えて
なるべく素敵な環境の町に移り住みたいけど、「どんな町かよくわからないままでは不安」「移住してから、合わなかったらどうしよう」…。移住前にはそんな不安が付き物ですよね。だからこそ、暮らしぶりを確かめられるお試し移住という選択肢は非常に有効だなと感じました。体験を通じて、真鶴の景観の美しさも、町の人たちの温かさも実感できます。