小田原市が3月末、市所有の文化財や歴史的資料などをインターネット上で公開する「おだわらデジタルミュージアム」(https://odawara-digital-museum.jp/)をオープンさせた。周知の機会が限られていた文化や歴史を広く発信することで、市は次世代に向けた教育や観光振興につなげたい意向だ。
今回はデジタル撮影した約5万6千点の資料が集約され、検索や閲覧が可能となっている。また城絵図や障子絵などを緻密に紹介した「高精細写真」、土器や城の模型などを立体的に見ることができる「3D」、歴史的建造物をサイト上で回遊できる「VRツアー」といった特別コンテンツも用意。ほかにモノクロ写真をAI技術でカラー化するなど、デジタル技術を活用した見せ方で貴重な資料を紹介している。
この取り組みは昨年、国が募集した「デジタル田園都市国家構想推進交付金」で採択された市の提案事業の1つ。
市では資料のデジタル化を進め、サイトの充実を図っていく。市郷土文化館の担当者は「これまで展示できた資料はごくわずかだったが、サイトでは多くの資料をいつでも閲覧できる。新たな発見もあり、今後はデジタルとリアルでそれら資料の展示なども考えていきたい」と話している。