「オーラルフレイル」は全身の健康にも影響が
近年、予防歯科の重要性が見直されており、「オーラルフレイル」という言葉が注目されています。「フレイル」とは加齢により身体能力が低下している状態のことで、口の中で起きている状態が「オーラルフレイル」とされています。
『口から食べ物をこぼす』『うまく飲み込めない』『滑舌が悪くなった』は要注意
保土ケ谷区歯科医師会の古田潤二郎会長は「お口の些細なトラブルが積み重なり、『オーラルフレイル』状態になると、全身の健康に影響すると言われています。お口の中の健康を維持するためには、歯を失う原因となる虫歯や歯周病の予防に加えて、食べることや話すことといった『口腔機能の健康維持』に着目する必要があります。『口から食べ物をこぼす』『うまく飲み込めない』『滑舌が悪くなった』といった衰えは、兆候の1つである疑いがあります。早い段階であればあるほど、機能を取り戻せる可能性は高く、歯科医によるチェックをお勧めしたいですね」と話しています。
介護認定のリスクは2.4倍に
「オーラルフレイル」に気付き、治療などを受けることができれば、お口の健康を維持することができるが、悪化してしまうと口腔機能低下症、ひいては摂食嚥下障害にまで至り、そこから回復するのは困難なケースが多くなります。介護認定のリスクは2.4倍にもなるといわれます。
まずは「チェックリスト」で自己診断を
そのため、保土ケ谷区歯科医師会では「オーラルフレイル」のセルフチェックを呼びかけています。「4点以上の場合には、すぐにかかりつけ歯科医院に相談を」と古田先生はお話されています。
訪問健診も活用を
寝たきりの人や歩行困難の人、入院している人など、歯科医院への通院が困難な状態にある高齢者の増加により、歯科領域でも訪問診療のニーズが高まっているといいます。
保土ケ谷区歯科医師会では「在宅歯科相談室」を立ち上げ、歯科治療が必要だが通院できない患者のもとを歯科医師や歯科衛生士が訪問する「訪問歯科診療」の相談に対応。古田先生は「通院が困難である人こそ、口腔の衛生管理は重要です。誤嚥性肺炎を引き起こす前に健診を受けてほしいですね」と警鐘を鳴らしています。
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