地元の夏の風物詩として先頃、4年ぶりの開催が決まった「高津区民祭」。これに合わせ、区民祭の前夜を彩るもう一つの風物詩として親しまれてきた「点火祭」も再開されることが分かった。
長期化したコロナ禍の影響で2019年以降、中止が続いていた「高津区民祭」。元々、このイベントの前夜、区内北見方エリアの多摩川河川敷では「点火祭」と称し、市内在住の花火師、谷古宇正啓さんら有志が花火を打ち上げるのが恒例となっていた。
苦難の3年、乗り越え
2006年から続いていた「点火祭」だったが、区民祭同様に2019年以降は休止を余儀なくされた。それでも谷古宇さんらは、コロナ禍に喘ぐ人々を元気づけようと2020年から3年間は「多摩川希望の花火」と銘打ち、この花火打ち上げを継続。開催規模を縮小し、さらに当時叫ばれていた「3密回避」を順守するため、開催日時や場所を非公開にするなどといった細やかな配慮の下、多摩川河川敷の風物詩を守り続けてきた。
概要も久々に公開
今回「高津区民祭4年ぶり開催」の報を受け「点火祭」の再開が決まった。花火を打ち上げるのは、谷古宇さんが代表を務める(有)花火企画夜光屋と花火師有志の面々など。開催規模もコロナ禍以前と遜色なく、開催日時も区民祭前日となる「7月29日(土)午後7時から1時間半程度」と事前に公開。また場所についても多摩川河川敷の「高津区北見方2丁目地先」と計画概要書にしっかり明記されている。
最大規模の実施へ
「点火祭」には、打ち上げ技術の向上や悪疫退散、鎮魂などを目的とした実技訓練の意味合いも含まれており、主催者側も気合十分といった様子。1号玉から4号玉、および仕掛け花火など、消防へ届け出た最大量の範囲内の花火が多摩川河川敷の夜空を彩る予定となっており「ぜひ多くの人に鑑賞してもらえれば」と呼び掛けている。