- 全国的に深刻化しつつある「教員不足」。相模原市では現在、教員不足の解消に向け、「常勤代替教諭」と「非常勤講師」を募集しています。
ペーパーティーチャーに期待
そこで注目されるのが、教員免許はあるものの勤務経験がない「ペーパーティーチャー」と言われる人たちの存在です。全国では400万人以上いるとみられ、中には結婚や出産を機に教育現場を離れた人もいれば、一度も教壇に立ったことがない人もいます。一方で企業での職務や家庭での子育ての経験などを生かし、教育現場に新たな風を吹かせる人材として大きく期待もされています。
「大学を卒業してすぐに教壇に立つことを不安に感じる人もいますが、子育てや社会経験を通じて教育現場の魅力を改めて感じる人も多いようです。そういう方たちが活躍できるような条件や環境を整えていきたいと考えています」と市教育委員会の担当者は話します。
働き方改革に取り組む相模原市
相模原市では「教職員の笑顔が子ども達の笑顔をつくる」をテーマに【学校における働き方改革宣言】を掲げ、保護者や地域にも情報を発信し、教員が働きやすい環境整備に取り組んでいます。ICTの活用や運営マネジメントの強化、会議・研修の効率化が進み、以前とは大きく環境が変化しているといいます。
相談会・登録会・セミナーを開催
潜在的な人材を発掘し、教育現場で活躍してもらおうと、相模原市では現在、「ペーパーティーチャー」「プレティーチャー」向けの相談会や登録会、セミナーを開催しています。この取組を通じて教員になった人も少なくなく、市教育委員会では人材確保の手段として積極的にPRしています。
市教育委員会では毎週水曜日、相模原市役所第2別館4階の教職員人事課で登録会・相談会を実施しています(午後1時~4時30分)。平日は仕事で参加できない人向けに休日登録会も市内各地で実施しています。
登録から実際に608人が教壇に
現在、841人の登録があり、常勤代替教諭として282人、非常勤講師として326人が教壇に立っています。中には「教育とは別の職場に就職して数年勤務したが、教員の夢を諦めきれずに常勤代替教諭として勤務を開始したケース」や「学校で勤務していたが、子育てを機に退職。子育てがひと段落し、非常勤講師として勤務を開始したケース」から活躍している人がいます。
「初めて教壇に立つ方、ブランクがある方、不安もあるかと思います。登録会・相談会にご参加いただき、疑問に思っていることなど不安を解消してほしい」と市教育委員会の担当者は話します。
12月16日にセミナー開催
市教育委員会では令和5年12月16日(土)、ペーパーティーチャー・プレティーチャー向けのセミナーを相模原市立総合学習センターで開催します。
市内の小中学校に勤務している校長先生、ペーパーティーチャーから教員として勤務を開始した常勤代替教諭、非常勤講師によるパネルディスカッションや学校の様子が分かる動画の視聴などを予定しているほか、セミナー終了後には常勤代替教諭及び非常勤講師の登録会も実施します(午前9時30分~午前11時/会場は相模原市立総合学習センターのセミナールーム(相模原市中央区)/参加定員は先着順で50名/参加の申し込みは12月8日(金)午後5時00分まで/相模原市教育委員会 教職員人事課に電話にて予約)。
「今回のセミナーはペーパーティーチャーから実際に現在、教壇に立っている教諭・講師の話を聞くことができる機会です。もう一度、教育現場で活躍してみたいという方はぜひ足を運んでいただきたい」と市教育委員会の担当者は呼びかけています。