「ガイドブックでは伝わらない」地域の魅力発信を目指して、大磯町国府本郷のアパートで空室を利用した民泊サービスが始まっている。発起人は西野知佳さん(西小磯在住・34)。西野さんが同伴し、町内のおすすめスポットを巡るまち歩きガイドもある。
西野さんが民泊を始めた宿「たゆたう」は、築50年を超える2階建てのアパートの一室。28平米の室内には大磯在住作家の作品の照明や食器、雑貨をあつらえており、西野さんの「大磯で生まれた素敵なものを知ってもらいたい」という思いがにじむ。調理器具や炊飯器もあり、近くで買い物をして自炊を楽しむこともできる。駐車場や自転車の貸し出しも行っており、遠出も可能だ。「『自分がもしも大磯で暮らすなら、どんな感じになるかな』と想像して楽しんでもらえたら」と西野さんは話す。
「ここに住みたい」一目ぼれして移住
元々観光業界で広報や企画運営に携わっていた西野さんは、県外の友人に地元のおすすめの場所を聞き、共に訪ねることが好きだという。「ガイドブックには載らない素敵な場所を知ることができるし、自分も地元民になれた気がした」と話す。大磯駅に初めて訪れた際、直感で「ここに住みたい」と一目ぼれし、2021年に越してきた。「せわしない感じがなく、生活をゆったりと楽しんでる人が多い。出会う人もみな素敵」と大磯の魅力を語る。
将来の夢は料理人の夫と宿泊型のレストラン「オーベルジュ」を開き、2人で大磯のよさを伝えること。その一歩として「たゆたう」での民泊サービスを始めた。「自分も大磯の土地や歴史のことを学びたい。その魅力を伝えることができれば」と西野さん。
それぞれの楽しみ方を
都会に住む人の息抜きや、友人を招くときなど楽しみ方は幅広い。部屋にはIH付きのキッチンやユニットバスが完備されており、Wi-Fiも利用できる。
「たゆたう」は一室1万8千円〜。ウェブサイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」から予約する。問い合わせは「たゆたう」のインスタグラム(@tayutau_oiso)にDMを。