このレポートは、タウンニュース茅ヶ崎版2013年9月20日号で掲載された記事を加筆・修正したものです
茅ヶ崎市内在住の絵本作家、加藤晶子さん(34)がこのほど「第35回講談社絵本新人賞」を受賞しました。応募総数627作品から選ばれた『てがみぼうやのゆくところ』は、2014年5月に講談社から出版されました。
1979年に創設された同賞は、国内有数の絵本公募展。これまでも数多くの著名作家を輩出するなど、絵本作家にとっての登龍門となっています。
受賞作品は「てがみぼうや」の投函から配達までのストーリー。審査員からは「絵が可愛く、話も破綻せずに心地よい」、「黄金期のアメリカの絵本を見ているような安心感があった」といった高評価を得ての受賞となりました。
加藤さんは、「手紙がテーマになっている絵本はたくさんありますので、いろいろ考えました。送る時のドキドキと、受け取った時の嬉しさ、両方の気持ちを背負った手紙の旅を楽しく想像しながら描きました」と話します。
2005年からハンドメイドで絵本を創作し、その原画と数冊の製本を個展で展示してきた加藤さん。展示された絵本の販売を頼まれる機会も増え、きちんとした出版について考え始めた矢先の受賞に。9月11日の式典に出席した加藤さんは、「最初に電話で連絡を頂いた時は『まさか』という思いがあって、心臓の鼓動がずっと聞こえていました」と振り返りました。
「個展に来て頂いた方に渡せるものが無くて、もどかしさも感じていたので(作品の出版は)とてもありがたいです。今まで応援して下さった方々に少しの恩返しになれば嬉しいです」