愛甲石田駅南口目の前にある創業1960年の「御菓子舗 幸月堂」。ずっと変わらぬ場所で銘菓を提供し続ける地域に愛されるお店を訪問。自身もすでに30年以上お店に経ち続けている店主の浅井幸一さんに話を聞いた。
和菓子で人を笑顔に
幸月堂の菓子について浅井さんは「先代からの味を受け継ぎ、原料と上質な材料等にこだわり、一個一個真心を込めて造り上げます。和菓子で人を笑顔にしたい想いから四季を大切に美味しいものを手頃なお値段で皆様にご提供したいと思っております。 ご一家の団欒やご来客の折の和やかなおもてなしに、お世話になった方、親しいお友達への贈り物におすすめです」と語る。
浅井さんは、東京製菓学校を卒業後、小田原の老舗和菓子屋に3年間勤めた後、22歳から実家の幸月堂で従事しているそう。小田原時代は修業の毎日で、通常、和菓子はあん練りから入るそうで、「あん練り3年もしくは、あん練り5年」と業界で言われる中、自身はあん練り3年で父親から呼び戻されたそう。本当はもう少し他所で経験を積みたかったそうだが、その時の父親の心身のことも考慮して実家に入ったそう。その後慣れないうちは店番も含めてんやわんやだったとか。だが徐々に慣れていったという。
「定番のものは昔から時期によっていろいろあります。季節感もあるので、それは大切にしていかないといけない。夏になったら水ようかんとか。どの商品も作ってみたらまずは自分で食べてみて、いろいろ工夫しながら作り上げていきます。自分だけだと妥協も入っちゃうので、スタッフの反応も見ます」。おススメを尋ねると、「最中と栗っ娘。やっぱり一番は最中かな。愛甲亀最中といって神奈川の指定銘菓にもなっています」。
「和菓子って人生の中でずっとついてくるんですよ。寄り添っていくっていうのかな。生まれたらお赤飯、お食い初め。七五三の和菓子。その後も何かにつけてお祝いがあったり、不幸があればお饅頭を添えたり。そうやって人生の中で和菓子はついてきます。家を建てる時は建前というのがあり、日本は農作物が中心だから春も。伝統行事じゃないですけど、そういうのを大切にしたいですね」。
こだわり
素材へのこだわり
和菓子の味や風味に大きく影響する小豆・米・粉などひとつひとつの素材を吟味し、作りたい和菓子に合った最高の配合を探求し、本当の美味しさを引き出す為の技術の向上を日々心掛けている。
季節がもたらす素材の持ち味を活かし、全ての素材から本来の美味しさを味わって頂くため、素材を産地から厳選し、体に優しく安全なものを使用。「四季折々の美しさを感じ、目や舌はもちろん、心から楽しんでいただきたい」と話す。
その和菓子に合う材料を妥協せず、こだわりをもって素材を選び、すべてのお客様に喜んでいただけるようなお菓子作りを目指す。
餡作り:小豆にこだわる 餅作り:米にこだわる お菓子作り:粉にこだわる
製法へのこだわり
幸月堂では生地のやわらかな口当たりやしっとり感にこだわり、季節ごとの気温や湿度の微妙な変化に気を配ることで、徹底した温度管理のもと独自の製法を研究開発している。お菓子作りには、温度や湿度の管理はもとより、生地のこね方、蒸し方の微妙な変化にまでこだわりを尽くしている。
「素材がシンプルだからこそ、ごまかしの効かない味わいをぜひお召し上がりください」
手作りへのこだわり
生菓子、焼菓子、蒸し菓子など手作りにすることで、職人がオリジナルの和菓子を仕上げる。素材ひとつひとつにこだわり、すべて手作業で製造しているため、手作りでしか出せない素材本来の風味を楽しんでいただけるはず。幸月堂はその時々の素材の状態、気候にあわせて配合や蒸し加減、火加減を調整して作られている。
そのひとつひとつに込められた和菓子作りにかける職人たちの「想い」をご賞味あれ。
浅井さんによると、創業からのこだわりで和菓子をひとつひとつ手作りするのは、昔ながらの幸月堂の姿勢とのこと。
「和菓子は非常に繊細なお菓子です」と浅井さん。生地の厚さや、原料の配合など、素材や季節の変化に合わせて、最も美味しく召し上がって頂ける最適な状態で製造する為、幸月堂の和菓子はすべて職人がひとつひとつ丁寧に作り上げる。風味豊かで本当に美味しい和菓子を日常で楽しんでいただきたい。
そんな想いで幸月堂はひとつひとつ手作りで和菓子を作り続ける。