この連載は月１回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです

　今回は、不整脈の方が歯科治療を受ける際に気をつけなければならないことをお伝えいたします。前回は心臓の血管が詰まる心筋梗塞、狭心症についてお話ししましたが、今回お伝えする「不整脈」とは、心臓が異常な電気信号を発生することにより脈が不規則に打つ状態のことを指します。共に心臓の病気なので混同しがちですが、その原因が全く違います。

　不整脈には多くの種類があり、その治療にも様々あります。抗不整脈薬や血液サラサラの薬を使う薬物療法から、ペースメーカー、カテーテルアブレーションなどの治療が代表的です。また、よく耳にするＡＥＤとは電気ショックで特定の不整脈を治療する機械です。

　歯科治療の際の注意点として、抗血小板薬や抗凝固薬など血液サラサラの薬などを飲んでいても、通常の歯科治療であればほとんどの処置で問題になることはありません。自己判断での休薬は絶対にしないようにしてください。

　また、ペースメーカーなどの体内装置が入っている場合には、口腔外科手術で使われる電気メスなど、電磁干渉がおこる歯科治療機器の使用が制限されることがありますので、体内に埋め込みされている旨を必ずお伝えください。

　安心安全な歯科治療を行うためにも、病気の治療状況や内服薬のご申告のご協力をお願いいたします。