小田原市根府川地区で宿泊施設「離れのやど 星ヶ山」を経営する内田昭光さん(82)が、このほど「ねぶかわ文学碑」を建立した。
根府川地区ゆかりの文学者の歴史を伝えようと、昨年の春から石碑の制作を始めた。大久保藩の藩士で根府川関所の役人を務めていた曾祖父を持つ「吉川英治」、大正時代に片浦村分教場の教諭で地域の教育にも尽力した「福田正夫」、根府川駅での淡い恋を綴った「茨木のり子」、沙羅の木と根府川石を絡めて謳った「森鴎外」、根府川を訪れ、当地を代表する産業・石と蜜柑にふれあった句を詠んだ「正岡子規」の5つの文学碑を施設敷地内に設置した。石碑の書は、近隣に住む書家の広井則江さんが手がけた。
内田さんは「文学とはほど遠い生活をしてきましたが、根府川地区の古き時代に関わってきた文学者の歴史を少しでも知ってもらえたら。おかめ桜とともに訪ねてもらえたら」と話している。