温泉地に足を運ぶきっかけをつくりたい――。そんな思いから、「学生団体YUZU」(福井貫太代表・大学2年)が湯河原温泉の魅力発信に取り組んでいる。
YUZUは都内、関東の温泉・銭湯好きの大学生、大学院生が集まり活動するまちづくり団体。約50人が湯河原温泉をはじめ、磯部温泉(群馬県)など関東の温泉地を拠点に活動している。
きっかけはコロナ禍。外出自粛などで温泉地が衰退していることを知り、「これまで癒しを与えてくれた温泉地に恩返しをしたい」と2021年に発足した。温泉地を分析する中で箱根、熱海温泉に囲まれた湯河原にまず注目。「落ち着いた雰囲気で60代以上の観光客が多い一方で、若者の旅行先としては選ばれにくい。魅力を知れば、のんびりと旅行したい学生が来たいと思うのでは」と拠点に選んだ。
月1回程度現地に赴き、店舗情報の発信や地域で活動する人を取材し、動画を作成。SNSで発信するプロモーション部と、ゆがわらハロウィンなどのイベント運営を手伝うボランティア部に分かれて活動。SNSの発信は120を超え、「取材に行くと『待ってたよ』と町民からも歓迎される」と交流も進んでいるという。
町観光課は「新しい目線での発信がとてもありがたい」と話す。福井代表は「湯河原をモデルに様々な地域で活動を広げていきたい」と語った。