京浜急行電鉄は9月上旬に三浦海岸駅構内に住民や観光客が利用できる地域交流拠点を開設する。イベントの開催やキッチンカーの出店などを通じて周辺のにぎわい創出につなげるとともに、新たに観光案内所も併設し、市内周遊を後押しする。駅前に中核拠点を整備する波及効果について、三浦市もてなし課は「住民交流と観光の両面でまちの活性化につながれば」と期待を寄せている。
地域と連携しながら沿線価値を高める同電鉄のエリアマネジメント構想「newcal(ニューカル)プロジェクト」の一環。約400平方メートルの敷地内に約20平方メートルのトレーラーハウス2台を設置し、屋内施設として活用する。
同電鉄によると、交流拠点としての機能は住民ニーズを汲み取りながらイベント形式で実施。具体例として子ども食堂などの開催を想定しているという。観光案内機能については市が施設の一部を借り上げ、民間に業務委託。コンシェルジュ役のスタッフ1人が観光スポットなどを案内する。
三崎口駅に隣接する案内所は利便性が高く、昨年は年間で2万4千人以上が利用するなど三浦観光の起点として機能。一方、三浦海岸駅周辺では徒歩5分の立地に観光インフォメーションセンターがあるが、同年の利用は約2600件にとどまるなど、利便性の向上が課題だった。
1日あたりの乗降客数は三浦海岸駅が約9千人。約1万3千人が乗り降りする三崎口駅の約7割に相当し、同課では拠点開設後、年間1万6千人程度の利用を見込む。同課の担当者は「乗降客の利便性が高まれば利用の機会も増える。観光客の市内周遊を後押ししていきたい」と話した。
同電鉄は8月16日に住民対象のワークショップを開催(受付終了)。具体的な施設の活用方法などについて意見交換し、今後の運営に生かすとしている。