最近よく耳にする脱炭素。地球温暖化への対応や持続可能な社会のために、二酸化炭素排出量を減らすことが必要です。それを各家庭で実践するのが、「脱炭素ライフスタイル」です。
お家での過ごし方、買い物やお出かけなど、私たちの日々の暮らし方にちょっとした工夫を取り入れて二酸化炭素を減らすことが、持続可能な社会(脱炭素社会)につながります。
《YOKOHAMA GO GREENについて》
「GO GREEN」は「環境にやさしい行動をとる」という意味。
2050年の脱炭素社会の実現に向け、市と市民・事業者の皆様が一丸となって脱炭素・環境施策を推進するための合言葉として、横浜市が策定しました。
かながわ区民カレッジ for Kids
脱炭素ライフスタイルを身近に知ってもらおうと、神奈川区役所では、神奈川大学と連携し2024年8月に「かながわ区民カレッジ for Kids」を開催しました。
間伐材ワークショップ
全2回の講座で、8月18日に行われたのは「間伐材de卓上カレンダーづくり」です。環境問題解決へ必要不可欠な森林保全。森林を守るには適切に間引くことが必要で、そこで生まれるのが間伐材です。
神奈川大学の芹川真緒准教授の講演後、間伐材のブロックを使った卓上カレンダーづくりに挑戦。親子で協力して自分だけのカレンダーを完成させました。
家庭で始める脱炭素
区民カレッジ参加者の中から、ご自宅でも脱炭素ライフスタイルを実践している、楠さん一家に話を聞きました!
ジュースは環境にやさしい紙パック
仲良し5人家族の楠さん一家。早速紹介してくれたのはペットボトルではなく、紙パックのジュースです。
このジュースの容器は、FSC認証も受ける、環境に配慮した紙パックです。
※FSC認証…森林の環境や地域社会に配慮して作られた製品であることを示すマーク
今回のワークショップに参加し、間伐材に興味を持った長女・舞衣子さんが自分にもできることを探すと、次女・芽唯子さんと通う小学校で紙パックがリサイクル回収されていることを知りました。そこで普段の買い物から「飲み物を買うときは再生可能な紙パック」を実践するように。「種類も豊富で味も美味しい」とすっかりお気に入り。学校には水筒も持参しているようです。
もちろんペットボトルを使う場面も訪れます。そんな時はしっかり分別。さらに三女・睦津実さんの通う幼稚園では、ワクチン支援のペットボトルキャップ回収を実施しているとのこと。家庭で集まったキャップは、睦津実さんに託してしっかり再利用しています。
家庭ごみも再利用
家庭内で発生するごみも、立派な資源に。生ごみはそのまま捨てず、コンポストで肥料として活用します。コンポストは、生ごみを土と混ぜて入れ,土の中の微生物等のは働きで堆肥に変えること。楠家ではバケツにためて、肥料になったら自宅の庭での家庭菜園に活用しています。
匂いや虫の発生など最初は戸惑いもあったといいますが、「バケツ一つで気軽にできる」と無理せず継続できているそう。虫に困った時は、“6人目の家族”の亀が食べて助けてくれます。
そんな堆肥を使った家庭菜園では、花や果物、野菜がたくさん育っています。三姉妹のお気に入りは、ブドウやラズベリー。毎年収穫の時期を楽しみにしています。
シェアや再利用もたくさん
「ものを大事にする」工夫は生活の随所に。牛乳の紙パックは、洗面台で活躍する踏み台に早変わり。今でも睦津実さんが愛用しています。
仲良し三姉妹は、洋服もシェア。家庭内でのお下がりはもちろん、地域のフリーマーケットにもよく行き、まだ着ることができる不要な服は売買して、地域での循環にも一役買っています。
他にもフードバンクへ参加するなど、身近で気軽に参加できる取組がたくさんあることを教えてくれました。何より家族で楽しく実践している姿が印象的。無理せずちょっとした工夫を重ねる、まさに、脱炭素ライフスタイルそのものだと実感しました。
先生からのコメント
8月のワークショップで講師を務めた神奈川大学の芹川准教授から、楠さん一家の取組と区民の皆様へのコメントをいただきました。
脱炭素社会の実現のためには、炭素を固定化する森林を守り、育てることが重要です。楠さんの家で登場したFSCマークは、紙パックの他にも、ノートやトイレットペーパーのような紙製品、木製のカトラリーや家具など、様々な製品で見つけられるかと思います。日々の買い物の中でFSCマークのついて製品を選ぶなど、一人ひとりが身近なところから取り組んでみませんか。
あなたも今日から脱炭素
「脱炭素」という言葉のなんだか難しそうな印象が変わったのではないでしょうか。楠さん一家の実践例はもちろん、身近なところにも様々なチャンスがあります。ごみの分別や節電、エコバッグなど、始められることから挑戦してみましょう。
横浜市でも家庭でできる行動や取組を紹介しています。小さな行動が大きな変化に。できることから楽しく「脱炭素な暮らし」始めてみませんか?