「寝る子は育つ」ということわざがあるように、昔から質の高い睡眠は子どもの成長に欠かせないとされてきた。「家族を想うように診る」を信条に、親身なホスピタリティーを貫いてきた星谷歯科医院の星谷院長は「最近の研究で実際に睡眠が子どもの脳の成長に影響を及ぼすことが分かってきました」と睡眠の重要性を語る。
2003年2月、JR新幹線の運転士が居眠り運転をして事故を起こしそうになった事件があった。検査の結果、その運転士は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者だったことが判明した。OSAは、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは浅くなる病気で、日中の眠気や集中力低下だけでなく、高血圧、心不全、糖尿病などの合併症のリスクを高めることも知られている。
また、OSAは成人だけでなく、子どもにも患者が見られているという。「子どもがいびきをかいたり、寝息がうるさかったり、夜中に起きたり、おねしょをしたり、寝相が悪かったりしませんか」と星谷院長。子どもが抱えている睡眠の問題は、健康だけでなく行動、学習の問題を引き起こす可能性がある。星谷院長は睡眠の質を下げる一要因として「口呼吸での睡眠」を挙げる。「口をポカンと開けたまま寝ると口の中が乾燥し、酸性になるため虫歯や口臭が発生しやすくなります」。さらに口を開けることで舌と下あごが後ろに下がり気道を狭めてしまうことにもつながるといい、「正常な睡眠は子どもの心と身体の成長に大きな役割を担っています」と強調する。
OSAを提唱したギルミノー医師によると、小児OSAの治療法として、アデノイド摘出術、ステロイドなどの投薬、舌下免疫療法などがあるが、歯科矯正や口腔筋機能療法も有効な治療法の一つとして挙げられる。「実際にOSAの子どもに対して口腔筋機能療法を行うことで無呼吸や低呼吸の割合を62%減らす報告もあります」と星谷院長。
星谷歯科医院では、睡眠時の悩みを持つ子どもに対して、口腔筋機能を主体とした歯科矯正を行っている。星谷院長は「口腔筋機能療法とは、お口のリハビリのようなもの」と前置き、「当院では色々な道具を使いながら、子どもたちが楽しく飽きなく治療を続けられるよう工夫をしています」とニッコリ。また子どもそれぞれに決まった担当者がついて指導するため、歯科治療に慣れていない子どもも安心だ。
「子どもの睡眠に何か問題がないか気づくことはありますか。もしあれば当院がお力になれると思います」と星谷院長は締めくくった。