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<川崎市多摩区>中野島中出身の木村守さんが作文コンクールで神奈川県知事賞~「ペルテス病」知ってほしい

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<川崎市多摩区>中野島中出身の木村守さんが作文コンクールで神奈川県知事賞~「ペルテス病」知ってほしい
ボールと賞状を持つ木村さん

道の作文コンクール2024

 神奈川新聞社主催「道の作文コンクール2024」の入賞作品がこのほど発表され、3月に中野島中学校(多摩区)を卒業した木村守さん(15)の作品が、最高賞の神奈川県知事賞に輝いた。

 同コンクールは、「道」や「高速道路」をテーマに、思ったことや考えたことを自由にまとめるというもの。今回は県内の小中学生から合わせて605点の応募があった。

ペルテス病を経験

 木村さんは小学3年生の時、股関節の大腿骨頭が壊死する病気「ペルテス病」を発症。無意識に足を引きずる姿を見た母・幸子さんが複数の病院に連れて行ったところ病気が発覚し、突然の入院が決まったという。

 ペルテス病は2〜10歳の男児に多く発症する病気で、個人差はあるが手術や装具治療によって3〜5年で完治するとされている。木村さんは3カ月間の入院と約3年にわたる治療の末、「病気に勝った」。

「道」になぞらえ

 作文には当時の心境と現在の夢を「道」になぞらえてつづった。通院のために幸子さんの運転でいつも通っていた道と、苦難を乗り越えた今、夢に向かって進む道。木村さんの夢は「プロボウラーになること」だ。

 3年ほど前、兄と遊びに出かけたことがきっかけで出合ったボウリング。当時も定期的に通院していた木村さんにとって、ボウリングは「自分が気を付けていれば安心して思う存分体を動かせる」スポーツ。作文には「自由にスポーツができる喜びと、ストライクが出た時の爽快感が、僕の心を魅了した」とつづられている。

 この春から都内の高校へ通う木村さん。現在はプロをめざして相模原市内のボウリング場で毎日練習に励む。強みは「病気を克服して手に入れた強い心」。「全然できないときもあるが、そんなの大したことない。前向きにとらえないと」と笑顔で話す。

「知ってほしい」

 ペルテス病の発生率は1万人に1・5人といわれる。知らない人も多く、学校などで適切な対応が受けられなかったり、偏見の目で見られたりすることもあったという。幸子さんの勧めで自分の体験や心境を文章に残し、詩や作文のコンクールで受賞を重ねてきた木村さんの文章には「知ってほしい」という思いも込められている。「ペルテスも含めて自分だから隠す必要もない。治ればこんなに元気に動けると知ってほしい」

住所

神奈川県川崎市多摩区

公開日:2025-04-13

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