横浜市青葉区のアートフォームあざみ野の中にある「横浜市民ギャラリーあざみ野」では、年間を通じて市民がアートを身近にを感じるさまざま展示や体験ワークショップを開催しています。今回は副館長の岡崎智美さんにお話を伺いながら館内を案内してもらいました!
地域に開かれた「アートの場」
横浜市民ギャラリーあざみ野は2005年に開館し、市民に寄り添ったアート施設として親しまれています。
いわゆる美術館とも一風変わった雰囲気があり、美術が好きな人もそうでない人も気軽に立ち寄ることができます。企画も様々で同館主催のイベントに限らず、一般の人が日々の成果物を発表する場としても使うことができます。

副館長の岡崎さん
「横浜市男女共同参画センター」との複合施設ということもあり、アートや美術にとらわれず、すそ野が広い施設です」と岡崎さん。展示物をジェンダー観点で見てみる、というのも横浜市民ギャラリーあざみ野だからこそできる鑑賞体験です。
貸出利用も可

2階にも展示室がある!
施設の1階と2階にそれぞれ約30㎡の広さを持つ展示室があります。
こちらは横浜市内外の人たちに、美術品の展示スペースとして貸し出しも行っています。利用可能なジャンルは絵画や版画、写真、立体作品などの創作物はもちろん、インスタレーションや映像作品の上映などにも活用できます。
市民サークル、美術学校、アーティストの個展など幅広く発表の場として親しまれています。
地域の「健康寿命」にも貢献

週単位で変わる展示でふらっと立ち寄るのも楽しみに
週替わりで展示が入れ替わるほど人気のスペース。地域の方たちが表現を披露する場としてにぎわいを生んでいます。「地域の高齢者の方たちも積極的に利用してくれていています。展示する方の創作意欲にもつながり、見に来る人もいつも楽しみにしている。地域の健康寿命にも貢献しています」と岡崎さん。
取材当日も多くの来場者で活気があふれていました。
アトリエで自分でも描いてみる
設備も充実

3階の廊下は画材や工具のにおいがして創作意欲をそそられます
横浜市民ギャラリーあざみ野は、美術を鑑賞するだけでなく自分で創作を楽しむことができます。吹き抜けの階段を上がって3階にはアトリエスペースが!
正方形フローリングの部屋を広く使って創作活動を思う存分楽しめます。さらには陶芸用の電気窯も常設されていて、「素焼き」から「絵付け」までトータルの制作が行えます。
大人の「ラーニングプログラム」
地域の人にアートを身近に感じてもらうため、大人向け(中学生以上)の「ラーニングプログラム」という文化芸術にまつわる講座が開催されています。電気釜を活用した陶芸教室や短い時間で素早く形をとらえるデッサン教室「アトリエクロッキー」が人気。
「親子」で楽しめるアート
開館当初からの取り組み
2025年で20周年を迎える横浜市民アートギャラリーあざみ野ですが、開館当初から子どもに向けたアートというものを大事にしているといいます。
岡崎さんは「展示されている絵画などを見るだけではなく、手を動かしながら遊んでいる感覚で何かを作る、描くといったプログラムを用意し、アートを身近に感じてもらいたい」と話します。
子どものためのプログラム
「自分でできた!」を体験することができる「子どものためのプログラム」があるのも同ギャラリーの特徴です。
多ジャンルの講師をむかえ、対象年齢に合わせたさまざまなワークショップが月1ペースで開催されています。「小さいころから触れてみる」ということが大事だと岡崎さん。
展示を見て「自分もやってみたい」と思った時に体験ができるのは横浜市民ギャラリーあざみ野ならではです。
壁や床に絵の具で!?
毎月開催している「あざみ野親子フリーゾーン」は子どものためのプログラムの中でも時に人気の企画。アトリエ横にある中庭を使って床や窓など範囲内のどこでも好きなところに絵の具や粘土、紙を使って自由に表現ができます。家や学校ではできないことを親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
子どものためのぎゃらりぃ
子ども向けのアートイベントの一環として2025年7月25日(金)~8月3日(日)まで、「あざみ野こどもぎゃらりぃ2025」が開催されます。
今回で19回目となるこのイベントは、「自分でもやってみたい」と子どもたちが好奇心を掻き立てられるたくさんの「ふしぎ」が詰まった作品が展示されます。親子で鑑賞してみると全く別の視点で見ていたりすることも。まだ知らないワクワクドキドキが詰まったアートの冒険へ、夏休みを利用して訪れてみては?
取材後記
いかがでしたか。子どもから大人まで誰もが楽しめる企画やワークショップが開催されている横浜市民ギャラリーあざみ野。ふらっと立ち寄ってたまにはアートに触れてみるのもよいのではないでしょうか。