パークゴルフ場主体の公園だった真鶴町立「お林展望公園」(真鶴11781)について、町は2025年4月1日に一般公園化した。町は有料で独占的な利用を認めるなど、公園の活性化に向けた方向性を探っており、2026年にはサウンディング型市場調査を実施する方針だ。
同公園は、小田急電鉄(株)の子会社が1963年に開設した真鶴サボテンドリームランドの閉園後、町が建物を購入して2005年に開園。12年からは、コミュニティ広場にパークゴルフ場を整備し、パークゴルフ主体の公園として運用してきた。公園の先端に位置する展望広場からは、伊豆半島や初島、大島を一望できることから観光客も多く訪れる。
同公園の利用者は14年度の約1万8千人をピークに減少。開園以降赤字が続いており、コロナ禍の影響を受けた20年度は約700万円の赤字だった。町は21年度にゴルフ場の運営の見直し案を議案で提出するも、利用団体などからの請願書を受けて、撤回していた。しかし、その後も収支改善の兆しは見えなかった。
こうした中、町は今年3月の町議会定例会で改めて、公園を一般化にする議案を提出し、可決された。パークゴルフ場利用料などの収入はなくなるが、人件費や維持管理費の削減により、今年度の赤字は約450万まで減少する見込み。一方でゴルフ場の存続を求める請願書が利用団体から提出され、採択された。
町は西側と東側のコミュニティ広場を合わせた18ホールのパークゴルフ場として運営してきたが、一般公園化に伴い、パークゴルフ場としての公的な運用は終了。現在は、議会で採択された請願を受け、愛好団体の真鶴町パークゴルフクラブが9月末まで東側に限って9ホールのゴルフ場として管理・利用している。一般来園者も無料でプレーできる。10月以降の利用については町とクラブで話し合いを進めていくという。ゴルフ場コースが撤去された西側のコミュニティ広場や展望広場は、自由に利用できるほか、町に申請すると有料で独占的に使用することも可能となっている。
一般公園化について、公園内で犬の散歩をしていた40代男性は「真鶴は公園の数も少ないので、誰でも自由に使えるようになったのは良いと思う」と話し、真鶴町パークゴルフクラブ会長の森元博美さんは「18ホールから9ホールに変わって、プレーしていて物足りなさを感じている会員もいる。今後の利用についても町と話し合っていければ」と話した。
町は今後、来年度にサウンディングを実施し、町民や民間事業者から活用案を募り、再来年度からは運営を民間に委ねる方針としている。