横浜市営地下鉄ブルーライン・東急田園都市線「あざみ野駅」から徒歩5分。「男女共同参画センター横浜北」と「横浜市民ギャラリーあざみ野」がともに運営する複合施設『アートフォーラムあざみ野』があります。

吹き抜けの館内には明るい光が差し込みます
今回は、年間24万8千人が来館し、講座の運営や、ジェンダーに関連する約8,300冊の本を所蔵している「男女共同参画センター横浜北」にスポットをあて、記者が詳しくレポートします。
無料で利用できる「交流ラウンジ」
情報事業の一つとして設置されているのは、1階交流ラウンジ。
図書室のようなスペースで、本の数はなんと約8,300冊。よくよくインデックスを見てみると、「女性に関する法律・離婚」「フェミニズムとその周辺」などなど、ジェンダーに関わるラインナップがずらり。本棚の高さも、女性や子供など、どんな人でも使いやすいように低めに設計されてるんだとか。
テーブル席も充実しており、軽作業や少人数でのミーティングにも、無料で利用できます。
一時預かりもできる「保育室」
また、この交流ラウンジには「保育室」もあり、施設を利用する際に子どもを預かってもらえます。(予約制・有料)。3階健康スタジオでは、「骨盤底筋を鍛えるエクササイズ」など、女性に嬉しい講座もあります。「ちょっとの間見てもらいたい」というママの心強い味方です。
仲間とともに「悩みを分かち合おう」
さて、交流ラウンジをあとに記者が広い館内を散策していると、気になる冊子を発見!

自助グループの案内冊子
「自助グループ?」
一体なんでしょうか。早速取材してきました!
スタッフの塩崎さんに聞きました
応じてくれたのは、男女共同参画センター横浜北・管理事業課の塩﨑友加里さん。
「自助グループとは、暴力や性的な被害、依存症などの悩みを抱えている当事者やその家族が集い、普段話せないことを話す場です」
冊子を開いてみると、ミーティングのグループがずらり。その数は現在、13になります。ただ一見すると、摂食障害などジェンダーとはあまり関連がないように見えるグループも。
「実は摂食障害やアルコール依存症などは、ジェンダーと深く係わっているんです」
ジェンダーを内在化してしまう私たち
まずジェンダーとは、「社会的性差」のこと。生物的な性差であるセックスの対義語として、主に男女差別の文脈などで使われる言葉です。
「私たちは、知らず知らずのうちにジェンダーに基づいた価値観
たしかに、わざわざ口に出すことはないかもしれませんが、自然とそういうものだと思っているふしはあるかもしれません。
「摂食障害は統計的に男性より女性の方が多いとされています。
当事者同士で普段話せないことを

ミーティングが行われる企画室
自助ミーティングでは、そんな悩みを抱える仲間と気持ちや体験、情報を分かち合うことができます。当事者同士だからこそ、話せることも多いのだとか。
専門家や援助者は入らず、メンバーは対等。新しい参加者にも常に門戸は開かれています。もちろん、プライバシーも守られているので、安心です。参加は無料。年間約1,600人に利用されています。
「誰もが自分らしく生きられる社会」に必要なこと
塩﨑さんは、当事者の参加を呼びかけると同時に、こんなことも話してくれました。
「実は当事者以外の人たち、つまり私たち1人ひとりが関心を持つことがとても大切です。こうした話題にとっつきにくさがあるのも事実ですが、ジェンダーがすべての人に係わっているのも事実。いわば全員が当事者です」
なるほど、全員が当事者とは今まで考えたことがありませんでした。
「最近ではさまざまなところで、ジェンダーにまつわる展示やイベントが開催されています。まずは身近なところから関心を持って、行動してほしいですね」
終わりに
一人ひとりが当事者意識を持つ―。難しいことのように聞こえますが、私たち一人ひとりの考えや行動が社会を形作っています。まずは関心を持って、誰も取り残すことのない社会の実現を目指していきたいものですね。