立てば芍薬、座れば牡丹―。美しい人の容姿や立ち振る舞いに例えられる牡丹。昔から「花の王様」と呼ばれ、その大輪の花は風格と気品が漂います。
東京都八王子市千人町にあるお寺、宗格院には、毎年4月になると大輪の牡丹が境内に咲き誇ります。その数、なんと約120種類。口コミで評判が広まり、牡丹の時期は2000人~3000人が訪れるそうです。
「七福神」「満天紅」「ラインエリザベス」…牡丹の花の名前って面白いんですね。
牡丹には1株ごとに品種名カードが添えられています。「サンダーボルト」、お殿様の名前「不昧公」、「春爛漫」…。こんなに種類の多い花は他にあるのだろうか。
境内の牡丹を管理する板倉正弘さん(74)によると、「島錦や鎌田錦など、『錦』が付く品種は格が上」なんだそうです。
牡丹の花は「赤」ってイメージだったけど、ボルドーやピンク、紫、色も豊富。緑色!の八重咲は「まりも」。おしゃれですね。ちょっと珍しい品種だそうです。
板倉さんと浦野信幸住職は、もともとウォーキング仲間。趣味で牡丹の研究をしていた板倉さんが十数年前、浦野住職に「お寺に牡丹を植えてみては」と提案したことがきっかけ。牡丹は手間がかかり、咲かせるのは少しコツがいるそう。板倉さんの元へ「庭の牡丹が咲かない」とアドバイスを求める人も多いのだとか。
それぞれ開花時期が違うので、咲き始めの4月上旬から4月いっぱいまで楽しめるようです。
- 牡丹を咲かせるコツを板倉さんに聞くと、「いろいろあるけど一番は『愛情』をかけること」と教えてくれました。
宗格院には、八角形が特徴的な地蔵堂があります。
そこには、八王子七福神の「寿老尊」と開基山本弥衛門忠房の娘のせき供養の為つくられた「咳地蔵」が祀られています。せき地蔵尊の「除せき祈願のお札」(1枚500円)は、咳のみならず、他の願意も書けるようになっています。
赤色のお札は貼って頂き、白色のお札は身につけておくようです。
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