NPO法人代表 磯野共余さん
音楽で平和への願いを世界に広げたい――。宮前区在住でNPO法人代表を務める磯野共余さん(62)が、世界五大陸をイメージした五つの独立したメロディーを合わせると、一つのハーモニーになる曲を考案。8月10日には大阪・関西万博の会場で、各大陸から招いた子どもたちと共に初披露する。
子どもたち同志の交流を
音楽大学で学んだ磯野さんは、2013年に「音楽で世界を平和に、子どもたちを笑顔にしたい」との一心で、タイやアフリカなどの発展途上国を訪問し、ピアノやバイオリンの演奏を通じて音楽を届ける活動を開始した。その中で、未来を担う子どもたち同士の交流を深めたいとの新たな思いが芽生え、17年に世界五大陸から子どもたちを日本に招き、「五大陸交流祭」と題した交流会を初開催した。
交流会では、参加国の紹介や世界の問題に関するディスカッションが行われ、子どもたちは世界各地の課題について深く考える時間を共有。「一つの家族になれた」「世界の問題がテレビや新聞の出来事ではなくなった」といった声が上がり手応えを感じたという。
世界平和を願うハーモニー
2年後に第2回を開催したものの、新型コロナウイルスの影響で、これまで子どもたちの交流は中断を余儀なくされていた。しかし今年、6年ぶりに交流会の再開を決定した。磯野さんは、子どもたちが心から結びつく方法はないかと、5つのメロデイから平和を願うハーモニーを奏でる曲を考案。「アースハーモニー」と名付けた。
今回の交流会には、日本、カナダ、ウガンダ、バングラデシュなどから子どもたちが参加する予定。8月7日から大阪で生活を共にしながら、交流を図り、曲の練習を行い、そのクライマックスとして、開催中の大阪・関西万博のステージで曲を披露する。磯野さんは「ハーモニーは調和という意味。子どもたちと歌って調和の世界、平和の世界を呼びかけたい」と意気込む。
滞在費など寄付募る
子どもたちの日本での滞在費用などについて支援を募ろうと、ネットで資金を募るクラウドファンディングを予定している。磯野さんが代表を務めるNPO法人Heart&Earthの紹介サイト(https://syncable.biz/associate/heartearth)から、申し込みが可能。