川崎みなと祭り
秋の祭典「川崎みなと祭り」が10月11日(土)、12日(日)に「川崎マリエン」(港湾振興会館、川崎区)を主会場に開催される。2024年まで20年間、祭りの実行委員長を務めた元参議院議員の故・斎藤文夫氏の思いを継承し、氏の言葉「みなと川崎ここにあり」を体感できる催しを目指すという。
「みなと川崎ここにあり」
戦後ほどない1950年に港湾法が制定され、翌年には川崎港の管理責任者が国から川崎市へと切り替わった。住民と港の結びつきを求める法に基づき、市は川崎市制50周年の74年に第1回「みなと祭り」を開催。当初は川崎駅前でのパネル展示などだったが、埋め立て事業が完成した東扇島地区に92年に川崎マリエンが開館すると、恒例の祭りとして定着した。
市制100周年事業として開催された2024年の来場者は約17万人。52回目となる2025年も、市民参加型のダンスや歌のステージ、ビーチバレー大会、川崎ゆかりの食を楽しめるマルシェ、市内で唯一の砂浜「かわさきの浜」での運動会などのイベントが目白押しだ。2025年から実行委員長に就任した高橋哲也・川崎港振興協会会長は「ぜひ多くの方に楽しんでいただきたい」と呼びかける。
「港があるのか」
祭りの発展を支えた最大の功労者が、2004年から実行委員長を務めた故・斎藤氏だ。市の港湾局長も務めた高橋会長は「先生は市民から『川崎に港があるのか』と聞かれたことに衝撃を受け、市民が港に親しみを持てるよう、尽力されていた」と振り返る。現在、市内の小学生が総合学習などで川崎港を訪れているのはその一例だ。
みなと祭りに関しても、「家族連れが楽しめるように」と、子どものよさこい踊りコンテストや港のクルーズ船体験などの仕掛けを考案。港湾業界の幅広い協力も得て、04年には6万人だった来場者は約10年で22万人超。市内で最大級のイベントに成長した。
斎藤氏は折に触れて「みなと川崎ここにあり」と語ったという。高橋会長は「市民と世界に開かれた川崎港のために尽力された先生の思いと功績を未来につなげられるよう、川崎港の関係者と共に継承していく」と話していた。