藤沢市の辻堂駅南口にある湘南銀座商店街で、涼しげなスズムシの音色が響く。駅利用者に懐かしさと癒しを届けようと、湘南銀座商店会(程嶋秀幸会長)による「The響of鈴虫atくまの森モール」と銘打った企画で、2020年から7回目。
歩道の日陰にスズムシが入った虫かごを12カ所設置した。その数約400匹。夕暮れ時に「リーン」と風情ある虫の音が一斉に聞こえる。
スズムシを育てた一人、石井英樹理事は「原因不明だが、今年も孵化がうまくいかなかった」とし、「村岡地区の愛好会などからスズムシを譲り受け、今年も無事に実施できた」という。近隣の保育園や青少年会館にも寄贈した。

スズムシを見守る川俣会長
長年の取り組みを程嶋会長は「暑い中、通勤や通学で道を歩く人たちが生のスズムシの鳴き声を聞いて少しでも『いいな』と感じてほしい」と言ってほほ笑んだ。
期間は2026年8月31日(月)まで。
藤沢市村岡ですくすく
「すず虫愛好会」(川俣誠会長)は2026年に発足55年目を迎えた。誕生のきっかけは、村岡公民館の周知を図ろうと、当時の館長がスズムシを飼育していた知人に協力を仰ぎ、地域住民へ配布したことにさかのぼる。元市職員の川俣さんを中心に、現在はメンバー12人で活動を続けている。
すず虫愛好会では毎年、藤沢市村岡を含む市内5カ所の市民センターでスズムシを無料配布するほか、小中学校への出前授業も実施。今年も1万匹以上を届けた。市内21カ所の保育園にも貸し出ししており、うち8園では園児が卵からの孵化に挑戦中だ。
飼育管理には細やかな気配りが欠かせない。10月からは休眠させ、3月下旬に目覚めを促すために土を水で湿らせる。5月下旬には幼虫が生まれ、レタスなど柔らかい葉を与えて育て、7月下旬に成虫になる。
「時代劇のバックでスズムシの鳴き声が流れている。日本人の情緒に語りかけるものがある」と川俣会長は魅力を語る。
石井さんとは2025年から交流があり、今年は約1500匹を譲渡。成虫にならない原因は「温暖化か、外来種か、宅地開発か、原因は分からない」というが、「スズムシの音色は藤沢の原風景。100年先まで文化をつないでいきたい」と川俣会長は力を込めた。
すず虫愛好会会では現在、スズムシの配布や準備などを手伝う会員を募集している。
問い合わせはすず虫愛好会事務局(村岡公民館)【電話】0466・23・0634。











