鮮やかな色使いで弾ける波、大胆な構図が印象的なポップな作風。かと思えば、天然木の一枚板にはんだごてで焼きつけた重厚感ある作品を仕上げたり、可愛らしいキャラクターをキャンバスの上で遊ばせたりと、tomioの世界観は独特だ。
中には、作風が定まっていないと揶揄する人もいるが、実はそこに彼のこだわりがつまっている。固定観念に囚われ表現の幅が狭まることを嫌い、思うままの手法を使い、オンリーワンの作品を世に出し続けている。
とくに絵が上手い子どもじゃなかった。だけど描く事が好きで、教室から見える“ワーゲン”をよく描いていた。大学では美術系のコースを専攻し、ここで基礎をしっかりと叩き込んだ。
後の人生に大きく影響を与えた“サーフィン”との出会いは20歳の頃。「波乗りの絵を描こう」と切磋琢磨するうちに、専門誌でイラストが掲載されたり、徐々に名前が知られるように。そして、「日本のサーフカルチャーの中心が湘南にあるなら、一度そこに行ってみよう」と20代後半で上京。作品のモチーフのサーファーや海をリアルに感じられる場所として、終の棲家に茅ヶ崎を選んだ。
“アートのある暮らし”を提唱する。「毎日に彩りを加える一枚に選ばれたら嬉しいですね」