小学４年から中学２年までの子どもたちが、演劇やダンス、歌に挑戦する「あつぎ舞台アカデミー」。１年を通して一流の講師から指導を受け、夏の公演に向けて舞台を創り上げる。現在、３月末の卒業公演に向け、子どもたちは稽古に励んでいる。

　市文化会館で２月に行われたレッスンでは、劇『ペンギン』の台本の読み合わせが行われていた。この日、子どもたちは４グループに分かれ、それぞれのパートのセリフを確認。講師の横内謙介さんがアドバイスをしながら、表現力を高めていく。稽古は笑いを混ぜながら、メリハリのある空気感で進んでいった。横内さんは「始めの頃は、人の話を聞かなくて大変だったけど、夏の公演でたくさんの拍手をもらって、子どもたちも自信になったし、感動したと思う。面白さを実感して、そこからガラッと雰囲気が変わった」と振り返る。

　生徒に夏の公演について聞くと「達成感が凄くて、数日間は余韻があった」「本当に終わっちゃったの？って寂しい気持ちになった」と話す。「次は主役をやりたい」「みんなを引っ張っていきたい」と意欲的な姿勢も光る。
　横内さんは「既成のミュージカルを上手くやるのではなく、子どもの感性を育てるためにやっている。演劇体験を通して、人生が少しでも豊かで実り多いものになってほしい」と話す。歌や踊り、役を演じることが、自分の才能を発見する場になると言う。「学校とは違う環境、基準の中で元気に、明るくなっていく。自分をプロデュースする力が身につく。それは舞台の上だけで活きるものではない」と断言する。

体験レッスンを開催

　４月の新規メンバー募集に向けて、体験レッスンを開催する。【1】３月23日（土）、【2】４月14日（日）（両日とも午前11時から12時30分）の２回。場所は市文化会館地下展示室。普段の演劇レッスンを体験できる。横内さんは「演技や歌がうまくなくても問題ない。子どもの可能性を育てましょう」と話す。
　参加無料で、各日先着30人。問合せ、申込みは市文化振興財団【電話】０４６・２２５・２５８８へ。