シリウス2階のマルチスペース。重たい扉を開けると、エプロンをした女性たちがナイフ片手に楽しげな様子。視線の先にあるのは、美味しそうな料理…ではなく、洋画家の羽渕完俊(さだとし)さん(77・綾瀬市在住)手作りのキャンバスだ。
羽渕さんが油絵を教える「大和絵画会」は、月に1、2回のペースで開催されている。費用は会場費の500円と自作を飾る額代100円のみ。絵具やキャンバス、紙パレット等すべて羽渕さんが無償で貸し出している。
38歳で油絵を始め、これまでに文部大臣賞、防衛庁長官賞などの受賞実績を持つ羽渕さんは、太陽美術協会の評議員や綾瀬市美術協会の会長なども務めた。大和絵画会は「自分で描くよりも、絵に関心をもつ人に楽しんでほしい」との思いで始めたという。
大和駅前のスカイビルで始まった会は、取材に訪れたこの日が区切りの90回目。口コミで広まり、これまでに684人が参加。そのうちの3分の1が、油絵初体験者だ。
「まずバックを一番濃い色で塗りつぶして」と大胆にペインティングナイフを左右に振る羽渕さん。開始当初は恐々描いていた参加者だが、1時間半後にはほとんどの人が作品を完成させ、自作を額に収めていた。
なお同会初の作品展が、18日(水)から20日(金)までシリウス1階のギャラリーで開催される。午前9時から午後7時(初日は午後1時から)。問合せは羽渕さん【携帯電話】090・6934・8676。