藤沢で生まれ育ち、１９８８年に川の事故で命を落とした堀明子さん＝享年（16）＝の創作詩を、歌手の北村梨里子さん（52）が歌うコンサートが11月２日、長久保公園の詩碑の前で行われる。生前に残した詩の中から10曲を披露する。

２日、堀明子さん詩碑の前で

堀さんは１９７２年生まれ。大道小学校に通っていた３年生から４年生の間に、自宅の庭の花や木など身近な自然の移ろいをみずみずしく描いた２００編を超える詩を書き残した。明子さんが高校１年に早世した翌年、両親は「生きた証を残したい」と、詩集「四季の色」を自費出版。出版は反響を呼び、毎年のように各地で詩集展が開かれ、教科書にも採用されるなど、多くの人の共感を集めた。

　歌手の北村さんは、30年ほど前に父親の堀祐吉さん（76）と偶然出会ったことがきっかけで、明子さんの詩を知った。「自然の描写が美しく、なんて素晴らしい」と感動。声楽を学んでいたことから「いつか歌にしたい」と思い、８年後に作曲家の原公一郎氏に紹介し、20編の詩に曲をつけ歌曲集にまとめた。

今回のコンサートは、詩碑の存在を知っていた北村さんが、いつかその前で追悼の思いを込めて歌いたいという希望から実現した。当日は、詩碑に綴られている詩「四季の色」も披露する。
　祐吉さんは「昔、明子と通った長久保公園は私たちにとって思い出の場所。野外コンサートも初めてなので、自然の中で歌が聞けるのが楽しみ」と話していた。

　時間は午後12時15分から。長久保公園では「秋の緑化推進まつり」が10時から開かれており、草花や野菜の苗のプレゼントをはじめ、山野草のコケ玉、木の実のクラフトなどのワークショップなども開かれる。

　問い合わせは同公園【電話】０４６６・３４・８４２２へ。