山北町共和地区に伝承される民俗芸能で、国指定重要無形民俗文化財の「山北のお峰入り」を含む「風流踊」が、本年度のユネスコ無形文化遺産(人類の無形文化遺産の代表的な一覧表)への提案候補として選定された。
37件の民俗芸能「風流踊」
今回選定された「風流踊」は、国指定重要無形民俗文化財である37件の民族芸能で構成されている。広く親しまれている盆踊や、小歌踊、念仏踊、太鼓踊など各地の歴史や風土に応じて様々な形で伝承されてきた民族芸能。笛、太鼓、鉦などで囃し立て、賑やかに踊ることにより、災厄を祓い、安寧な暮らしがもたらされることを願うという共通の特徴を持つ。
歌や踊りはすべて口伝
地元では「お峯入り」と呼称される「山北のお峰入り」は、山中で修行を行うことを意味し、修験道の儀礼が芸能化したものと考えられている。演技は8種類11演目あり、天狗、獅子、おかめ、山伏、太鼓、笛などの役を約80名の男性が演じる。歌や踊りはすべて口伝えで伝承されており、近年では概ね5年ごとに公演を行っている。
湯川裕司山北町長は「地域一体となり守り、受け継いできた誇るべき無形文化遺産を、国内に留まらず世界に発信することにより、さらなる保護・継承につながる」と話している。
同遺産の審査は実質2年に1回で、今回の件は2022年11月頃の審議になるとみられている。