7月下旬に全線復旧を予定している箱根登山鉄道は5月11日、試運転を開始した。鉄道施設の機能確認などが目的。
赤い車両が約7カ月ぶりに箱根を走行ー。塔ノ沢駅に進入した登山鉄道。乗務員は一連の動作を行い安全確認が終わると、車両はモーター音を響かせ次の駅に向かった。
日中1時間に2本程度
試運転は、日中1時間に2本程度、箱根湯本駅ー大平台駅間で行われている。今後、復旧作業の進捗状況にあわせ、試運転区間を延長していくとしている。
箱根登山鉄道(株)の担当者は「おかげさまで試運転を行うところまできました。7月の営業運転再開に向けて進めていきたい」と話している。
運転再開を秋から前倒し
箱根登山鉄道は、昨年の台風19号の影響で線路を含む陸橋が流出した蛇骨陸橋付近や大量の岩石で線路を覆われた大沢橋梁など各所に甚大な被害を受け、箱根湯本ー強羅間は運休している。当初、運転再開を秋頃としていたが、暖冬で降雪や凍結など冬季工事特有の支障が少なかったこと、沿線に住む住民の理解で通常の工事時間を延長して行ったことから同社は、運転再開を7月下旬に前倒しした。