昨年の台風で被害を受け、一部区間で運休していた箱根登山鉄道が7月23日、全線運転を再開した。約9カ月ぶりに、あじさいが咲く山間を赤い電車が力強く走った。
沿線では、通過する電車に向けて大きく手を振ったり、「お帰りなさい、箱根登山鉄道」と書かれた横断幕を掲げるなど、登山鉄道の運転再開を祝う地元住民などの姿があった。
強羅駅で行われたセレモニーで山口昇士箱根町長は「大好きな鉄道が戻って来た」と喜びを表し「胸に熱いものが込み上げた。これからも箱根を楽しんでほしい」と語った。箱根登山鉄道(株)の抱山洋之社長は「国、県、町の指導と地元の方の励ましで今日を迎えた。社員は1日でも早い復旧を目指し尽力してくれた。これからも安心して観光ができるよう努めていく」と語った。
函嶺白百合学園卒業生の佐藤綾実さん(大学1年)、山田沙也加さん(同1年)は「小学生の時から12年間登山電車で通っていた。卒業の時は、災害で乗れず悲しかった。今日、乗ることができて良かった」と笑顔を見せた。