繊細な鉛筆画で知られる田村順正さんの回顧展が、高尾駅南口の喫茶店「ヴィ・マエストロ」(初沢町)で行われている。12月8日(火)まで。
一周忌に企画
田村さんは昨年11月、89歳で他界した。城山手に住んでおり2017年から、趣味で描いた鉛筆画を同店で展示していた。回顧展は同店が声をかけ1周忌を機に企画された。
田村さんは大学3年生の時、肺結核を患ったことがきっかけで、時間に余裕ができたために描き始めた。社会人になり忙しくなると中断したが、興した会社の経営に区切りがついた74歳の時に再開した。
鉛筆画26点
鉛筆画は高尾山をはじめ、多摩地域の自然を写実的に描いており、いずれも評価が高い。店主の遠藤宣夫さんは「初めて見たとき、その細かさに鳥肌がたった」と振り返る。回顧展では2005年から16年までに描いた作品26点と直筆のコメントが展示されている。田村さんの娘、林典子さんは「父は亡くなる直前まで絵を描いていました。今回、マスターに声をかけていただいたことは父がなにより喜ぶはずです」と感謝を述べた。
作品を見るには店舗での飲食が必要。