くりはま花の国(神明町)で2月下旬から、一風変わった形状をした直径1センチほどの黄色い小花が咲き始めた。
この花の正体は「トサミズキ」。マンサク科の落葉低木で、園内には19本の木が立つ。江戸時代から庭木や盆栽、生け花などとして親しまれてきたが、野生では稀な珍種。自生地は高知県土佐市のごく限られた蛇紋岩地帯で、植物の生育に必要な栄養素に乏しく、乾燥した硬い土壌という過酷な環境に古くから適応してきた。その花はまるでフリル付きのドレスを纏った姿に見え、周囲には爽やかな香りを漂わせる。
同園広報マネージャーの森田馨一さんによると「トサミズキを含め、今春はどの花も例年と比べて1カ月ほど開花が早い。見逃さないように楽しんでもらえれば」と話す。トサミズキの花は今3月中旬ごろまで見られるという。