〝横浜最古の仏像〟が御本尊!?八幡神社のご由緒や見どころを調査しました
神社で最も数が多いとされる八幡神社には、〝八幡神(やはたのかみ)〟別名、応神天皇(譽田別命・ほるたわけのみこと)という勝負運の神様が祀られています。土着的な神様でもあり、横浜市神奈川区にある「松見町 西寺尾 八幡神社」は700年以上前から地域住民の暮らしを見守り、人々の心のよりどころとなってきた神社です。歴史ある八幡神社のご由緒や見どころを探ります。
八幡神社の創建は1334年(建武元年)以前
「松見町 西寺尾 八幡神社」が創建された詳しい時期は分かっていませんが、江戸時代末期の地誌によると、松蔭寺=鶴見区東寺尾=所蔵の建武年中(1334年~38年)の地形図にこの神社を表す〝八幡の社〟の記載があり、「当寺の別当として古くからには違いないが、いつからか、この場所に移した」と記されています。時を経て明治6年(1873年)には村社となり、八幡大神から八幡神社に改称されました。
かつての御神体は〝横浜最古の仏像〟!!
「松見町 西寺尾 八幡神社」でかつて祀られていた御神体「如来坐像(伝阿弥陀如来像)」は、なんと〝横浜市内で最古の仏像〟。飛鳥時代の7~8世紀に制作された金銅仏で、高さ約25cmと比較的小さく、像の下半身を覆う衣が台座にかかる裳懸座(もかけざ)や短い前腕、体の比率に比べて大きな手足、胸を張り肩幅の広いプロポーションなどが特徴です。古代から横浜の地に伝来していた可能性もあり、19世紀初頭には八幡神社の御神体だったことが史料に残されています。
明治初年発令の神仏分離令で仏教を排する廃仏毀釈運動の勢いが増し、全国の貴重な仏教遺産が破壊された時代には、当時の氏子たちがこの御神体を残そうと奔走し、同神社の別当寺だった松蔭寺に託しました。現在は東京国立博物館寄託で、横浜市指定有形文化財に指定されています。
見どころ① 境内にある社殿と木々
- 社殿/本殿(流造)、拝殿(入母屋造)
- 境内社/天王社(八坂大神…素戔嗚尊 すさのおのみこと)、天満社(菅原道真公)、水神社(水波之売神 みずはのめのかみ)、招魂社(戦没者英霊奉祀)
- 名木古木指定/イチョウ樹齢190年・220年、ツバキ樹齢240年
見どころ② 年中行事
1月:初詣、どんど焼、7月:招魂社祭・天王社祭、8月:例祭【お神楽(横越社中)、お囃子(岸根囃子連)の奉納 ※ともに横浜市無形文化財指定】、11月:七五三参拝
- 1日・15日(月参りの日)、祝日は本殿が開放されています
- 年始や例祭ではお札・お守り・絵馬などの魔除け・縁起物を授与しています
一歩足を踏み入れると、清々しい空気と温かいパワーを感じられる「松見町 西寺尾 八幡神社」。同社Facebook(https://www.facebook.com/MatsumiNishiteraoHachiman/)で行事や季節の花々など日々の様子を見ることができます。ご由緒ある神社でエネルギーをいただいてみては。