グリーンの看板が一際目を引く、横須賀市内川にある廃棄物処理会社(株)リフレックス。リサイクルセンターなど市内に3拠点を構える創業35年の老舗企業です。本田雅昭代表は5年前、SDGsの存在を知り、調べていくうちに「自社の事業と重なる部分が多いから会社として賛同しよう」と「かながわSDGsパートナー」に登録しました。
今回特別に許可をもらい、会社内部に初潜入。環境に配慮した様々な取り組みを取材しました。
横須賀では11社が登録する「かながわSDGsパートナー」
まず目に飛び込んできたのは「かながわSDGsパートナー登録証」。SDGsを推進する企業などが神奈川県と連携しながら、その取り組みを発信するとともに普及促進活動することが主な目的です。2021年6月11日段階で、神奈川県で504社、横須賀市で11社が登録しています。
スタッフが手作業、驚異のリサイクル率
次は主に建設系廃棄物を受け入れ処理する循環資源リサイクルセンターへ。「こんにちわ~!」とスタッフの皆さんが元気な挨拶で迎え入れてくました。
(株)リフレックスでは、リサイクル事業を通して、資源とエネルギーを有効活用し、環境負荷の低減に努めています。建設現場や工場、病院などから回収する廃棄物量は年間なんと約3万トン!そのうちリサイクル率は8~9割近くにものぼると言います。
リサイクルセンター入り口付近には、回収された廃棄物が山となっていました。ここに在籍するスタッフ約40人が、木材や金属など手作業で廃棄物を分別。1日のうち半分以上の時間を費やし、ここで作業するそうです。
その後、ベルトコンベアーで運ばれてきた廃棄物をさらに細かく分別。種類ごとに分けられた材料は最終的に二次処理先に持ち込まれ、新たな資源やエネルギーになるそうです。例えば木材であればチップ状にし、その熱源でバイオマス発電などに使用されたり。
社歴約20年という新間和雄工場長は「世界中で資源の枯渇が叫ばれる中、リサイクル事業に携われることをうれしく思います。専門性が高く奥深い分野であるため、コロナ禍でも需要は増え続けており、改めて社会に必要なことだと実感。若いスタッフたちもやりがいを持って仕事に取り組んでいます」と話します。
「三浦半島の海をキレイにしたい」
今後の新たな展望は、横須賀沖に流れ着くごみの処理。漁網やロープ、ブイといった漁業系廃棄物が約6割を占めるそうで、特殊な破砕機などが必要なため、事業者も限られ、処理が進んでいないのが現状だと言います。
本田代表は「今は考えられないかもしれないけれど、私が幼い頃はよく三笠で泳いで遊べるほど、本当に海がキレイだった。“環境エキスパート”としての誇りを胸に、地元の三浦半島の景観を守ることで、未来の子どもたちが笑顔になれるような街にしたい」と目を輝かせます。