三井百合丘第二地区自治会(早野恒一郎会長)で地域見守り活動をする「ほほえみの会」(香川昭彦会長)はこのほど、冊子『はじめての見守り活動ガイド』を田園調布学園大学と共同で発行した。誰もが見守り活動に参加できることを目指す内容で、同自治会加入世帯に配布した。
冊子は同大学の村井祐一ゼミが作成した同名のガイドを編集したもの。専門用語を極力使わず、簡単な言葉を用いて、地域住民に「自分事」として、見守り活動を理解してもらおうと作った。自分たちが普段の生活を通して、できる「見守り」をイラスト、実例などを多用し紹介した。
編集などを担当した近藤裕美さんと新飯田薫さんは「『こうしなくてはいけない』という内容ではなく、見守り活動とは『こういうことですよ』と活動を紹介するときに役立つものを目指した」と話す。地域でのちょっとした異変の例をあげ、「気づくことが大切」と呼びかけ、見守りを通じて支え合える共生社会の実現を目指す。
同自治会では高齢化が進み、単年で組織する役員会とは別に、長期課題への取り組みのため2013年に規約を見直し、委員会、専門部会を設置した。同自治会が位置する東百合丘4丁目区域は市内でも高齢者率が高く、高齢者が安心して暮らせるまちづくりは大きな課題となっていた。
地域見守り活動を行う「ほほえみの会」は2018年に発足。当初、見守りを希望する7世帯とサポーターを組み合わせ、スマホアプリや通信機能付き家電を使った見守り活動を開始。そのほか、高齢世帯の把握のため、後期高齢者の住む世帯の所在、連絡先を確認し、高齢化に対応するまちづくりへとつなげた。
非常時も対応必要
平常時だけでなく、被災時での要援護者支援との一体化もすすめた。「高齢者の見守りに関心があるのは親が高齢になる50代、60代以上。幅広い年代に広げるためにも地域防災との連携は必要」と香川会長。50年続いた班編成も変更。これまで背中合わせだったブロック単位を、顔を会わす機会が多い道を挟んだストリート単位するなど活発に活動している。