町内会・自治会は、地域で行われる様々なスポーツ活動にも間接的な関わりを持つ。川崎区で盛んに行われているソフトボール大会やバレーボール大会、パワフルかわさき区民綱引き大会などは「川崎市スポーツ推進委員」が運営を下支えする。このスポーツ推進委員は各町内会・自治会長からの推薦を受けて選出。市全体で450人の定数のうち、川崎区には68人が名を連ねる。任期は2年で運営以外にも実技の指導や教育機関、行政機関、スポーツ関係団体が行うスポーツ行事への協力などの職務に従事。川崎区民の体力を測定する「体力テスト会」や「かわさき多摩川マラソン」の運営協力も重要な活動の一つだ。
スポーツを通じた地域交流は「チームプレー練習、スポーツ大会や競技会、指導者講習会などあらゆる場面で図ることができる」。そう語るのは浦野一吉川崎区スポーツ推進委員会委員長。その結果、地域に顔見知りがたくさんでき、「安全・安心なまちづくり」に役立つのだという。スポーツ推進委員として34年、同委員長として12年のキャリアを誇る浦野さんは40歳まで少年野球の指導者として現場の第一線に立っていた。前出の言葉はそうした経験を踏まえてのものだ。
浦野委員長によると、スポーツ交流のあり方は7区それぞれ特色があるという。川崎区でバレーボール大会が盛んなのは、かつて日本鋼管(現JFE)がバレーボールの強豪チームであったことからと説明。ただ、近年はより多くの区民参加を促すため、カローリングなど、パラスポーツの競技会に力を注ぐ。
地域住民が参画するスポーツ振興について増田宏之川崎区長は「スポーツを通じて地域の輪が広がり、コミュニティの活性につながれば」と期待を込める。