スマートフォンやパソコンが当たり前になっても、日常生活や仕事で求められるシーンが多い「手書き」。見られても恥ずかしくない、きれいな字を書けたら良いですよね。とは言え、小さい頃に身に付けてしまった誤った筆順や形、バランスを直すのはなかなか難しいもの…。
瀬谷区に本部があり、園児や小学生向けの「ふでともかきかた教室」は4歳からの書道教育に力を入れている教室です。このレポートでは代表の前原先生に以下4点をインタビュー。現場の様子も含め、幼児期の書道教育の重要性を掘り下げて紹介します!
- 保護者の関心度No.1の習い事
- 4歳からの書道教育が大切なワケ
- 独自メソッドで楽しく安心
- ぐんぐん成長中の教室
保護者の関心・要望の高い書道
うんこ学園(文響社)が行ったアンケート調査「これから習わせたい習い事」(年長・小学6年保護者)によれば、書道は「英会話」(2位)や「塾・学習教室」(3位)を抑えて、第1位にランクインしています。
また、アフタースクール寺子屋のアンケート調査「やっておいてよかった習い事ランキング」(30代・55~65歳の男女)では、「書道」が約28%と最多となりました。
これらの結果から…、
- 「書道」は保護者からの関心がとても高く、その有用性も高く評価されていることが分かります。
小学校入学前からの読み書きが大事!
書道を始めるタイミングは小学3、4年の授業からという人が多いのではないでしょうか。
「実は幼稚園や保育園の年中・年長時からの読み書きが大事なんです」と前原先生。
その理由は大きく2点あり、
1点目は「子どもたちは3、4歳で文字に興味を覚えだす」こと。
ふでともかきかた教室の調べによれば、文字に興味を覚え始めた年齢は3歳が約43%、4歳が約28%となっています。
2点目は「小学校入学までに9割以上の児童がひらがなを書けるようになっている」こと。
「カタカナも書ける」という子は4割近くにもなっています。
ひらがなは読み書きの始まりである一方、全体のバランスや形が難しいですよね。前原先生によると、読み易い文章の法則に「ひらがな7割」「漢字3割」があり、〝正しいひらがな〟を書けるかどうかは、とても大切なんだそうです。
楽しく主体的に学べる!墨を使わないから「安心」
「入学前の子どもが、大人しく書道を習えるの?」と思う人もいるかもしれません。教室を取材して分かった、3点のポイントを紹介します。
①子どもの興味を誘うプログラム
1点目は、子どもたちを飽きさせない工夫が多いこと。冒頭は、その日に学ぶ「ひらがな」の言葉集め。例えば、「よ」であれば、「よ」から始まる言葉を子どもたちに聞いていきます。
また、「みんなで直してみよう」の時間も。線が長かったり、円の形が変だったりする字を見せながら、「どこが違うかな?」と問いかけ。子どもたちは先生と一緒に考えながら、文字のかたちを覚えていきます。
こうしたプログラムを通じて、子どもたちは楽しみながら、主体的に学んでいくんですね。
②画期的!「水書道」の導入
最大の特徴が、「水書きグー」(製造/合資会社 木と字の神林)という特別な用紙を取り入れていること。これは墨ではなく水を用いて書く用紙。書いて5~10分で消えるため、紙を無駄にせず繰り返し練習できます。
「汚れない」という点も大きなポイント。
未就学児が墨を使った場合、洋服や机が汚れ、想像するだけで恐ろしい事態になりそうですが…、使うのは水だけなので、汚れを気にせず練習できますね。
③毛筆の学びを硬筆に活かす
毛筆の練習が終わった後は鉛筆プリントに移行。
「毛筆と硬筆を分けて習う教室も多いですが、当教室では同じ時間に行うようにしています」と前原先生。毛筆で体感した「とめ」「はね」「はらい」の感覚を忘れないうちに、硬筆で同じ字を書くことで学習効果を高めているんですね。
保護者の声は?
年中のお子さんを教室に通わせているお母さんにも話を聞いてみました!
お母さんご自身は毛筆が苦手のようで…、「子どもが苦手意識を持つ前に、毛筆に親しんで欲しい」と体験教室に行ったのが入会のきっかけ。
始めて半年が経ち、お子さんも教室を楽しんでいる様子。文字の正しい形やバランスなど、「全体の捉え方が上手くなっています」と、上達ぶりに手ごたえを感じていました。
創立9年 県内や都内で拡がり
ふでともかきかた教室は2013年に設立。
現在の登録講師数は約70人に上り、幼稚園や保育園の課外・正課45教室、県内など12カ所のパートナー教室、コロナ禍をきっかけに始めたオンライン教室を展開。その取り組みはメディアでも注目され、取り上げられています。
「正しく美しい字の基礎を学び、集中力・丁寧さを養うことができます」と前原先生。
同教室では現在、教室の受講生のほか、課外教室に書道を取り入れたいと考えている幼稚園や保育園、「ふでともかきかた教室の講師に興味がある!」という一般の方などを募集中。
- 「幼児期の書道教育に関心のある方々はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください」と前原先生は呼びかけています。