地域の人々が集い、「いざ」に備えて連携を強める町内会・自治会の防災訓練。新型コロナウイルスの影響で、各所で縮小や中止が続いたが、今秋は再開の動きが多く見られた。宮前区と麻生区との区境に位置する長沢自治会では、11月19日に長沢諏訪公園で総合防災訓練を開催。12月末から年始には消防団と合同のパトロールも予定し、「災害に強い街」をつくっていく。
長沢、備蓄と実践重ね
約2550世帯が加入する長沢自治会は毎年11月、テーマを変えて防災訓練を企画。今年は煙体験や応急担架、ホースキットでの消火、非常食配布など、約130人の老若男女が楽しみながら防災を学んだ。元多摩消防署長の田中輝夫副会長は「消防団体の協力も得て興味を引くような内容に。来場することも避難訓練になる」と話す。
昨年は各地区の理事や役員のみで規模を縮小したものの、自治会が保管するAEDや発電機の使い方を実践。西窪勝副会長は「長沢は防災機器を定期的に購入し、非常に充実している。非常食は4500食以上常備」と説明する。昨年は会館横に倉庫を増設した。
盆踊り主催や親子運動会への参加など、年間行事でも絆を深める。「広い地域なので、より多くの人にどうやって行事に参加してもらうかが課題。防災訓練も小単位や複数回の開催を考えていけたら」と米山福吉会長。安心・安全のため、新たな形を思い描く。