池上本門寺を模した朱塗りの山門
横浜の中心でありながら、たくさんの緑に囲まれた長光山・妙蓮寺は日蓮宗大本山池上本門寺の末寺。東急東横線「妙蓮寺」駅の改札を出てすぐ目の前にある朱塗りの山門は、その池上本門寺の山門を模してつくられているそうです。
人々の憩いの場
これまでも度々紹介してきましたが、広々とした境内は人々の憩いの場。地域の人たちの健康づくりの場、ラジオ体操の舞台にもなっています。
その境内を進み正面の階段を昇ると、威風堂々と鎮座するのが本堂。その本堂に向かって左手奥には季節の移ろいを感じられる庭園が広がります。背後の高台には竹林が広がり、風に吹かれて揺れる笹の葉ずれの音、笹鳴りが心地よく耳に届きます。
清らかに、凛と咲く花
その本堂の周囲には、妙蓮寺の特長でもある大型の鉢があちこちに配されており、今回訪れた7月5日午前9時頃には、数種類の蓮が訪れた人々に優しく語りかけるように花を咲かせていました。それぞれの鉢に立てられた札をみると小妙蓮、粉松蓮、古代蓮、孫文蓮、茶碗蓮、皇居和蓮などと確認できます。
蓮の花の先には本堂の建築美や庭園の緑。ついカメラやスマホを向けたくなる風景です。蓮の花言葉は「清らかな心」「神聖」など。仏教では極楽浄土の花とされています。仏像の台座や仏具に施されている花としても知られています。
梅雨があける頃、不浄とされる泥の中から真っすぐに茎をのばし、凛として清らかな、大きな一輪の花を咲かせる蓮の花には、神秘性を感じる人も少なくないでしょう。
おすすめは午前中
今年も見頃を迎えようとしている妙蓮寺の蓮の花。朝開いた花は、昼頃になるとしぼんでくるので、鑑賞は午前中がおすすめ。見頃は8月くらいまで。
また、点在する大きな鉢を覗き込んでみると、水の中には何やら花々とはまた違った、スイスイと泳ぐ可愛らしいメダカの姿も目に入ります。「この鉢にもメダカがいるのかな」と遊び感覚で探してみるのも一興。そんな小さな命を見つけた瞬間は、いくつになってもうれしいものです。
住職の“境内づくり”に触れる
妙蓮寺の広々とした境内は、ほかにも境内の随所に山本玄征住職による“境内づくり”のアイデアがたくさん。どれも庭師との綿密な打ち合わせで進めてきたもので、「訪れた人を温かく迎え、安らぎの時をゆったりと過ごしてもらえるようにと、境内のどこの立ち位置から見える景色にも気を配っています。
境内に3つの斎場を整備したのも、なるべく遺族の負担を減らそうという住職の考え。全館バリアフリーの第1斎場、高台にあり緑に囲まれた第2斎場など、それぞれ特長ある施設です。斎場の資料請求はホームページから受け付け、仏事、葬儀の相談にも対応してくれます。
「菊池(くくち)の滝」で涼を感じて
本殿に向かって右奥には落差4mの滝があります。昔の地名にちなんで「菊池(くくち)の滝」として人々に親しまれている滝は、参拝者に「涼」をもたらしてくれます。
身近に豊かな四季を感じられる憩いの場、妙蓮寺。ぜひこの夏にもふらっと訪れてみてはいかがでしょう。
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