地域活動支援センターは一言でいうと、障害のある人のサポートをしている施設です。地域交流や創作活動の場の提供、相談受け付けなどの支援を行っています。施設にはそれぞれ種類があり、支援内容もさまざまです。
今回は横浜市都筑区のセンター南駅近くの地域活動支援センター精神作業所型の「amolir(アモリール)」をご紹介します。
市営地下鉄センター南駅徒歩2分 窓が広く開放感ある作業所
センター南駅から徒歩2分。商業施設「サウスウッド」の裏手にある松本ビルA館の5階にアモリールはあります。ドアを開くと利用者さんが手作りした作品が並んでいます。部屋は、窓が多く開放感のある作りに。この部屋で、それぞれ作業に取り組むそうです。
施設名のアモリールはフランス語で「和む」「安らぐ」「癒し」といった意味があります。2022年4月に開所したアモリール。施設長の小菅郁さんは、「その名の通り、温かい事業所を目指しています」と話します。
「花」をテーマにした創作活動
アモリールでは「花」をテーマにした創作活動を行っています。
ハーバリウムやリース、フラワーアレンジメントなどの作品を、楽しみながら作っています。「細かい作業は苦手で…」という方も安心を。
- 小菅施設長は、「その人に合った作業を工夫して提供しています。花だけでなく、シール貼りや封入作業、ボールペン組み立てなどの軽作業も請け負っています。気負わず、できることから始めてみましょう」と優しく呼びかけます。
目標は人それぞれ 一歩踏み出せる場に
「生活リズムを整えたい」「社会との接点をもちたい」「外出が普通にできるようになりたい」「就労につなげたい」――アモリールに通う利用者さんの目標は、人それぞれ。まずは、個別支援計画をたてて、目標を達成するまでに何が必要かを明確化して、一歩一歩、進むことを支援していきます。
「まずは安心して通っていただけるように。そして希望や夢に向かって一歩踏み出せる場になればと思っています」と小菅施設長。「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ホップ」の部分を担っていると言います。
作業だけでなく、就労支援、余暇支援にもつながるプログラムを定期的に実施。パソコン教室や障害理解の勉強会、体力づくりのためのウォーキングやストレッチなど、さまざまなプログラムを用意しています。
- 「1年弱で卒業し、障害者雇用で就職した方もいらっしゃいます。でもスピードは人それぞれなので、焦らず『一歩一歩』を大切にしています」
利用対象者は?利用料金は?
対象者は横浜市内にお住いの精神障害者で、常勤で就労していない方。また、生活介護、就労移行支援、就労継続支援B型、その他の地域活動支援センターを利用していない方となります。障害者手帳や受給者証はなくても大丈夫です。
利用料は無料です。「まずは半日だけ利用したい」「週1回なら通ってみたい」という人も歓迎です。ご自身のペースで通所することができます。
アモリールの1日は?
簡単に1日の流れ(例)を紹介します。
9:00~ | 開所、一日の準備 |
9:30~ | 朝礼(作業の確認) |
10:00~ | 作業①②(10分休憩あり) |
12:00~ | 昼休み |
13:00~ | 作業③④(10分休憩あり)※各々が主体的に物事に取り組む「セレクトタイム」の開催日あり |
15:00~ | 片づけ、清掃、終礼 |
- 見学や体験も随時、行っています。希望者は、区役所の担当ワーカーや相談支援専門員にご相談ください。
地域とのつながりも
アモリールは地域とのつながりも大切にしています。コロナ禍で販売機会は減ったものの、地域のお祭りやケアプラザ、高齢者施設、福祉施設などに出向きワークショップや販売も行っています。
「お金をいただくからには、『かわいい』『ほしい』と思えるような商品を目指して制作・販売しています」と小菅施設長。「福祉作業所」という理由ではなく、「この商品だから」という理由で選んでほしいとの思いがつまっています。実際に売れることで、利用者のモチベーションアップにも繋がっているようです。
講師は地域ボランティアに協力してもらい、人と人との繋がり、コミュニケーション支援の一環も担います。
- 「明るく朗らかな作業所ですので、安心してご利用いただけます。一つひとつ、着実に目標に向けて歩めるよう、全力でサポートいたします」