宿河原の春の一大イベント「桜まつり」は2024年第50回の節目を迎え、3月31日(日)に開催される。例年4月の第1日曜日に実施されていたが、桜の開花が早まっていることもあり、初めて3月に行われることになった。5年ぶりに提灯も取り付ける。宿河原堤桜保存会の関山泰司会長(83)は「盛大に、多くの人に楽しんでもらえる祭りにしたい」と意気込む。
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同保存会と宿河原町会(大津恵男会長)が主催する同まつり。桜の名所である二ヶ領用水宿河原堀で景観保持に努める同保存会が1977年から続ける恒例行事だ。
宿河原八幡宮境内を中心に、二ヶ領用水沿いでパレードも行われ、大きな盛り上がりを見せる。新型コロナの影響で、2020年から22年は中止を余儀なくされた。中止したのは、11年の東日本大震災発災時以来のことだった。2023年は4年ぶりに開催した。
パレード盛大に
宿河原八幡宮で午後1時から式典を行う。式典前(午後0時30分から)には、太鼓演奏やチアダンス、歌手による「宿河原堀・桜の四季〜二ヶ領用水のうた〜」などの歌も楽しむことができる。
式典では、関山会長や大津会長のほか、藤井智弘多摩区長、多摩区町会連合会の濃沼健夫会長らがあいさつに立つ。また、さまざまな演奏やダンスも披露される。
式典後、川崎市消防音楽隊やカラーガード隊「レッドウイングス」、宿河原小学校鼓笛隊管楽器クラブ、稲田小学校鼓笛隊、二ヶ領用水宿河原堀を愛する会、好舞会(よさこい鳴子踊り)などが二ヶ領用水沿いを3時ごろまで練り歩く。
2023年は準備が間に合わず、提灯は取り付けなかった。保存会メンバーらが16日に、19年以来5年ぶりに提灯も取り付けた。4月2日(火)まで、午後6時から9時の3時間点灯している。
関山会長は「コロナ前の形に完全に戻ることになる。桜まつりらしい、にぎわいを期待している」と笑顔を見せた。
保存会関係者らは3月23日(土)に二ヶ領用水の清掃も行う予定だ。
初めての3月開催へ桜の開花、年々早まり
「地球温暖化のせいか、年々開花が早くなっている。4月だと桜が散ってしまうことが多い」と初めての3月開催を決定。例年よりも1週間、早く実施する。
また、約300本の桜並木は、最初の植樹から60年以上経過しており、老木化が進んでいる。倒木の恐れもあるため、伐採も行っている。一方、2020年に16本、2024年2月に13本を新たに植樹した。今後も伐採と植樹を進めていくという。
関山会長は「肥料や水やりなど、桜並木の維持管理を続けていく。市内有数の桜の名所として、多くの人が行き交う憩いの場を守っていく」と決意を述べた。また、4年前に保存会のメンバーらが植樹した桜を眺めながら「成長を見守りつつ、桜並木を次代にしっかりと残していけたらうれしい」と思いを話した。
同保存会の活動や桜まつりに関する問い合わせは、関山さん【電話】044・922・5742。
なお、雨天の場合は、式典のみ宿河原会館内で実施する。パレードは中止となる。