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松田町を中心に運行する乗合いバス「のるーと足柄」実証運行は2025年度で終了、継続可否は町民の声含め判断

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松田町を中心に運行する乗合いバス「のるーと足柄」実証運行は2025年度で終了、継続可否は町民の声含め判断
乗車が多い新松田駅

2023年10月から松田町を中心に運行するAIオンデマンド交通「のるーと足柄」の実証運行が今年度で終了する。町は来年度以降の運行継続の可否を含め、公共交通のあり方を検討するため11月30日(日)まで交通施策に関するアンケートを実施している。

近年、地方都市では利用者の減少や運転手不足で路線バスの本数維持が難しくなっている。松田町も持続可能な公共交通の確保が課題で、移動を支える新たな仕組みとして始めたのが「のるーと足柄」だった。23年10月から今年度までを実証運行を行っている。

のるーと足柄は、決まったダイヤやルートがない事前予約制の乗り合い交通。AIが予約状況を計算し最適なルートを運行する。町はこれまで利用データや住民アンケートを踏まえ、運行エリアを拡大。また、利用者が多い寄地区では出発と到着時間の目安時間を設けた運行を行ってきた。現在、乗降場は松田町、大井町、開成町に265カ所がある。

採算面に課題

しかし、当初の見込みほど利用者数が伸びず、採算面の課題が見られたため24年12月に運行計画を変更。計画見直し後の月間利用者は約1600人(変更前約2500人)。車両台数の削減や運賃の見直しでも、赤字額は1カ月あたり532万円となっている。

町によると、1台平均の乗り合わせは2、3組にとどまり、乗る人数が少ない一方、車両は日中稼働を続けていることが要因という。

町は寄地区で行っている目安時間を設けた運行による効率化も検討したが、「寄地区では利用者のほとんが新松田駅に向かうため、時間を設定した運行ができたが、他のエリアでは行き先がばらばらで同じ仕組みをそのまま入れるのは難しい」と話す。

残りの実証運行期間の体制は、年明け以降に時間を平日午前9時から午後5時までに短縮。加えて、これまで朝と夕方に限り行っていた寄地区の目安運転に関し、専門車両を設け、終日対応とすることとしている。

交通ニーズ見極め

今回のアンケートは、のるーと足柄の利用実態の確認のほか、町における公共交通のあり方などについて意見を募り、来年度以降の方針を検討する材料となる。

対象は松田町民とのるーとの利用者。回答は町ホームページの専用フォームほか。町は11月1日に全戸配布でアンケート用紙を配布しており、担当者は「地域の交通ニーズに的確に応えていくため、町民の声を反映していきたい」と話している。

住所

神奈川県足柄上郡松田町新松田駅

公開日:2025-11-20

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