「今日、茅ヶ崎で何か面白いことやってないかな」そんなとき、皆さんはどこで情報を探しますか。
Instagram、Facebook、イベント主催者のホームページ、知り合いからの口コミ――。茅ヶ崎では毎週のようにさまざまなイベントが開かれていますが、その情報はそれぞれの場所に散らばっています。そんな街のイベント情報を一つにつなごうと、2026年7月にスタートしたのが「茅ヶ崎カレンダー」です。

茅ヶ崎カレンダーのロゴは、株式会社ボンドの市川靖洋さんがデザイン。茅ヶ崎で行われるさまざまなイベントや、その主催者を表すカラフルなドットが集まり、「C」の文字を形づくっています。
仕掛け人は、株式会社ギボンズ代表の「とーそん」こと藤村一樹さんと、株式会社プラネス代表の遠藤義之さん。二人に、茅ヶ崎カレンダーが生まれた理由と、その先に思い描いている街の姿を聞きました。

(左)とーそんさん、(右)遠藤さん
隣のコミュニティに行ってみたら、もっと面白い
とーそんさんは、小学3年生の頃から茅ヶ崎で育ちました。現在は寒川町を拠点に株式会社ギボンズを経営。中小企業などを対象に、kintoneをはじめとした業務システムの開発やITを活用した業務改善を支援しています。一方で、チガラボや茅ヶ崎カンパニーをはじめ、地域のさまざまな活動にも顔を出してきました。そこで感じたことが、茅ヶ崎カレンダーの原点になっています。
茅ヶ崎には、それぞれの地域やテーマを中心に活動する魅力的なコミュニティがたくさんあります。しかし、その中では交流が盛んでも、少し離れたコミュニティの情報となると、意外と知られていません。
「面白いことをやっている人はたくさんいる。それなら、隣のコミュニティにちょっと顔を出してみたら、もっと面白くなるんじゃないか」
それぞれに発信されている情報を、一度に見ることができる場所をつくる。そんな発想から、約2年前に構想が始まりました。とーそんさんは自らサイトの制作を進め、公開できるところまで形にしていました。ところが――。
「一人だと、なかなか完成しないんですよね(笑)」
そこで加わったのが、遠藤さんでした。

とーそんさんは、寒川在住ながら茅ヶ崎で様々な地域活動に携わっています
アイデアを「いつか」から「いつまでに」へ
遠藤さんは、小学6年生の時に横浜市から茅ヶ崎へ転居しました。大学卒業後、地元のケーブルテレビ会社などを経てIT業界へ。富士ソフトではプロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーとして経験を積み、2008年に茅ヶ崎で株式会社プラネスを設立しました。現在は業務システムやWebシステムの開発、企業の業務改善などを手掛けています。遠藤さんが得意とするのは、たくさん出てくるアイデアを「実現できる形」に整理すること。
「これをやりたいなら、その前にこれが必要。そのためには、誰が、いつまでに、何をやるのか。それを一つずつ整理していくんです」
とーそんさんがアイデアを出し、サイトを形にする。遠藤さんが全体を整理し、プロジェクトを前へ進める。いわば、「思いつく人」と「実現まで連れていく人」。二人の得意分野がうまくかみ合い、止まりかけていたプロジェクトが再び動き出しました。

進行管理は「いわゆるケツ叩き役です」という遠藤さん
「地域貢献しよう」と力んで始めたわけではない
二人の話を聞いていて面白いのは、最初から「地域のために何かしよう」と力んで活動を始めたわけではないことです。遠藤さんも、会社を立ち上げた当初は地域の仕事に取り組んだものの、事業として成り立たせる難しさから、一時は東京の仕事が中心になったといいます。転機はコロナ禍でした。東京の仕事が一気に止まり、時間ができたことで、地域でいち早くフードデリバリー事業を立ち上げるなど、改めて身近な人たちと一緒にさまざまな企画に関わるようになりました。
「最初は外から少し見ているくらいのつもりだったんですけど、気が付いたら中にいました」
とーそんさんも遠藤さんも、何か壮大な使命を掲げているわけではありません。面白そうだからやってみる。困っている人がいれば、得意なことで手伝う。そこからまた、人と人がつながっていく。そんな二人らしい距離感が、茅ヶ崎カレンダーにも表れています。

茅ヶ崎カレンダーには茅ヶ崎で開催されるさまざまなイベントが掲載されています
主催者にも、イベントを探す人にも
茅ヶ崎カレンダーでは、ヨガや朝活、ライブ、マーケットなど、街で開かれているさまざまなイベントを探すことができます。キーワード検索だけでなく、タグや月間カレンダー、主催者、開催スペースなど、いろいろな入口からイベントに出会えるようになっています。またイベント主催者が、自分たちで情報を登録でき、登録したイベントは月間のイベントカレンダーとして出力することも可能など、イベント主催者にとっても使いやすい機能を盛り込んでいます。
「自分が知っているコミュニティの中だけじゃなくて、知らなかった人や場所につながっていってほしいんです」
いつものイベントに行くのもいい。でも、たまたま見つけたイベントに行ったことで、知らなかった店を知ったり、新しい友人ができたり、別の活動に参加するようになったりするかもしれません。
現在のサイトには、登録されているイベントからランダムに一つを紹介してくれる「イベントガチャ」というユニークな機能もあります。予定を決めず、偶然の出会いを楽しむ仕掛けです。

おすすめのイベントが見つかる「イベントガチャ」
イベントを探すなら、「まず茅ヶ崎カレンダー」を目指して
二人が思い描く未来はシンプルです。
「茅ヶ崎で何かないかな、と思ったときに、とりあえず茅ヶ崎カレンダーを開く」
そんな存在になること。
「女子高生でも、おじさんでも、イベントを探すならまずここを見る、くらいになったらいいですよね」
二人の間ではすでに次のアイデアも次々と生まれています。ただ、大きな資本を入れて一気に広げるのではなく、まずはこの街の人たちがイベントを登録し、「こんなサイトがあるよ」と誰かに教える。そんな口コミのような広がり方を大切にしたいといいます。茅ヶ崎には、まだ知らないイベントがある。まだ会ったことのない人がいる。そして、まだ入ったことのないコミュニティがある。
「何か面白いことないかな」
そんな何気ない一言から、新しい茅ヶ崎に出会える入口。茅ヶ崎カレンダーは、街に散らばる小さな「面白そう」を、一つずつつないでいきます。
















